バンクシー新作、消されていた。「知らなかった」地下鉄の清掃員が一掃

ロンドン地下鉄では、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために清掃に力を入れており、バンクシーの新作は、他の落書きと同様に扱われ、消去されたという。
バンクシーのサイトより
バンクシーのサイトより
HuffPost Japan

イギリスの路上芸術家バンクシーが、ロンドンの地下鉄車内に描いた新作を、ロンドン交通局の清掃員によって消されていたことが明らかになった。7月15日、現地メディアが伝えた。

インスタでの発表前に消えていた

バンクシーは自身のInstagramに現地時間7月14日に新作を発表。

BBCによると、その時すでに、新作は、ロンドン交通局の清掃員によって一掃されていたという。ロンドン交通局は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために清掃に力を入れており、「他のあらゆる落書きと同様に扱われた」と述べている。 

Evening Standardによると、その清掃員は「ねずみのようなものが描いてある」と気付き、他の落書きと同様に清掃した。清掃員は、バンクシーによるものだとは知らなかったという。ロンドン交通局は「私たちはバンクシーに、適切な場所で利用客に彼のメッセージを伝える機会を提供したい」と話している。


どんな作品だったのか?

バンクシーは動画とともに、「If you don’t mask - you don’t get.(マスクをせよ、さらば与えられん)」と投稿。

清掃作業員のような格好をした人物が、次々と車内で作品を描く様子が映されている。地下鉄車内には、ねずみがくしゃみをし飛沫が拡散する様子や、マスクをパラグライダーのようにして飛ぶねずみ、除菌スプレーをもったねずみなどが描かれた。

映像の中で、バンクシーが地下鉄から姿を消した後に、駅の壁に、「I GET LOCKDOWN(私はロックダウン(都市封鎖)された)」の文字が描かれている。さらに、その後と地下鉄のドアが閉まると、「BUT I GET UP AGAIN(でも、また起き上がってやる)」の文字がねずみの落書きと共に現れ、英ロックバンド・チャンバワンバが1997年に発表した曲「Tubthumping(I  Get Knocked Down)」が流れる。 

イギリスでは、公共交通機関でのマスク着用が義務付けられている。さらに、7月14日には、イングランドで24日から、店舗やスーパーマーケットに入店する際にマスクなどで口と鼻を覆うことを義務化すると発表された。

バンクシーはそれを題材にして新作を発表したとみられる。

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