西村康稔経済再生担当大臣は7月12日の記者会見で、東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県について、今後の状況次第では新型コロナ対策の特別措置法に基づく休業要請を求める考えを示した。
国内最大のテーマパークである東京ディズニーランドと東京ディズニーシーは7月1日、感染対策を徹底した上で運営を再開したが、今後休業要請が出された場合はどのような対応を取るのか。担当者に聞いた。
感染者の報告なし 運営の現状
7月1日から運営を再開した東京ディズニーランド・シー。
混雑による人の密集を避けるため、「午前8時入園」「午前11時入園」「午後2時」と入園時間に差を付けたチケットを新たに導入した。
運営にあたっては、ウイルス感染防止対策を徹底。
来園者の入場に際しては「検温」を実施し、食事の際を除き、原則マスクの着用を必須とし、また、パークで働く従業員(キャスト)には常時マスクの着用を義務付け、感染予防のため、消毒スペースの数を増やすなどの対応も取っている。
また、濃厚接触の機会を避ける狙いや施設や遊具の頻繁な消毒が困難となるため、一部のアトラクション施設では運営を行なっていない。
アトラクション施設のほか「パレード」や「ショー」などのエンターテイメントプログラムがあるが、一部のプログラムについては、ウイルス感染対策と予防などの観点から当面の間は実施しない方針。
人気キャラクターなどと触れ合うことができる「グリーティング」は、直接的な触れ合いを無くした上で、シンデレラ城前やパレードルートを活用し、“ソーシャルディスタンス”を保った上で実施されている。密集を避けるため、事前告知はしていない。
再開から約2週間が経過した7月13日の時点で、来園した人からの感染報告の例はない。今後は徐々に状況に応じて来園者数を増やしていくとみられる。
運営会社は、休業要請の可能性をどう受け止めている?
感染の例が報告されていないことから、現状では講じられている対策が機能していると言える。
しかし、東京都内では4日連続で感染者数が200人を超えるなど、首都圏を中心に新型コロナウイルスの感染再拡大の兆しも見える。
東京を含む首都圏から多くの人が訪れる東京ディズニーランド・シーは、感染例がないと言えどもこの状況を無視できない。
運営会社のオリエンタルランドは2つのパークについて、国や自治体から出される方針に従う形で臨時休園の対応を取ってきた。
今後首都圏での休業要請が出された場合はどのような対応になるのか。再び休園することになる可能性はあるのか。
ハフポスト日本版の取材に対して、オリエンタルランドの担当者は「休業要請が再び出された場合のパークの運営に関しましては、“総合的な判断”で対応致します。安全をパークを運営することを第一に考え、ご来園される皆さまや働くキャスト(従業員)の健康面も考慮し、感染者数の増加など外部環境についても引き続き注視しながら運営して参ります」と回答。
パークが再び休園となる可能性については「現時点では何も決まっておりません」としながらも、否定はしなかった。