性犯罪事件の一審判決で「外見コンプレックス」が減刑理由に 韓国で物議

「n番部屋」事件と類似した性犯罪での判決内容が明らかに。
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Westend61 via Getty Images

未成年者を含む、女性に対する性搾取が問題になった「n番部屋」事件と類似する性犯罪事件で、被告の男性が、減刑を一審で受けていたことが明らかになった。その理由は外見コンプレックスだ。

ロートークニュースは、この事件の被告男性の一審と二審の判決内容を6月30日に報道し、物議をかもしている。

報道によると、被告の男性は2018年、カカオトークのランダムチャットで出会った当時13歳の女性に「いやらしい写真を送って」と要求。求めに応じて女性が写真を送ると、要求は次第にエスカレートし、被告男性は写真をオンライン上にばらまくぞと脅迫した。

被告の男性は、児童・青少年利用性搾取物制作罪に問われた。通常、最も軽い量刑でも懲役5年の刑となるのが一般的だが、この被告男性は2019年11月、一審で懲役2年6カ月の判決を受けた。

その理由は、一審の大法地裁第12刑事部(裁判長イ・チャンギョン部長判事)が、被告の起訴内容を全て事実として認めながらも、量刑を減らしたためだった。一審では、被告の男性が「過度な肥満など自身の外見コンプレックスにより、インターネット上で他人と交流した際、軽率な判断をしたものとみられる」として、善処の判断をくだした。

被告男性は即時に「刑が重い」と控訴したが、検察側は控訴しなかった。

2020年4月、二審裁判部の大田高裁第1刑事部(裁判長イ・ジュンミョン部長判事)は、「被告男性の刑はむしろ軽いといえる」とし、一審の判決は正しくなかったと指摘した。

二審では、被告男性の外見コンプレックスは犯行と関係がないと指摘したが、刑は懲役2年6カ月で一審と同じだった。検察側は控訴していなかったため「不利益変更禁止の原則」により、二審法院は一審で決定した量刑よりも高い宣告を出せないためだ。

韓国の「n番部屋事件」とは?
チャットツール「テレグラム」上で発生した韓国の事件。犯人グループはSNSで女性をだまして性的な写真を入手し、それを元に脅迫する手口でさらにエスカレートした性的搾取画像や映像を送らせたりしていた。画像などは複数の有料チャットルームで共有され、金を払った会員26万人(重複含む)がそれを見ていた。現在、警察が把握した被害者は10人だが、逮捕された容疑者の供述から未成年者を含み70人程度と推測されている。韓国政府は、チャットルームの有料会員になって閲覧していた者も含む全員を厳正に調査し、処罰する方針だ。

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