7月5日は、都知事選の投開票日だ。人口約1400万人の東京都を託すリーダーを決める大事な選挙だが、過去の選挙では、若者の投票率の低さが課題となっている。
前回の都知事選では、20代の投票率は37.65%で、すべての年代の中で最も低い投票率となった。
ネット上などで政治・時事問題について発信するお笑いジャーナリストのたかまつななさん(Twitter / YouTube)は、「少子化だからこそ、危機感を持って若い人に投票に行ってほしい」と呼びかける。
年代別投票率の推移は? 10〜30代の低さが浮き彫りに
過去3回(2016年、2014年、2012年)の都知事選の年代別推定投票率は、以下の通り。(東京都選挙管理委員会の資料より)
前回は、選挙権年齢が18歳に引き下げられてから初めての都知事選だった。
しかし、18歳〜19歳の投票率は47.58%と過半数に届かず、20代は37.65%と、すべての年代の中で最も低い投票率となった。
一方で、50歳以上の年代で見てみると、投票率は65%以上と比較的高くなっている。
「都知事選に限らず、政治家は投票に行く人たちに向けて政策を考える。投票に行かない層は政治家にとって眼中に入らない存在になってしまいます」と、たかまつななさんは危機感を訴える。
たかまつさんは、2016年の選挙権年齢引き下げを機に「笑下村塾」を設立。ネット上での発信や学校への出張授業などを通して、政治と若者をつなぐ活動をつづけている。
▼年代別推定投票率のグラフ
「『投票しても何も変わらない』と悲観しないで」
選挙の時によく耳にするのが、「投票しても何も変わらない」という声だ。少子化の加速が、若い世代が政治から遠ざかっている要因になっているとも指摘されている。
しかし、「少子化だからこそ危機感を持って投票に行ってほしい」とたかまつさんは訴える。
東京都の人口を年代別で調べてみると、10〜30代の若年層よりも、40代以上の中高年層・高齢者層が多いことがわかる。若年層の投票率が下がるほど、若者の声は政治に反映されづらくなってしまう。
▼年代別東京都の人口(※日本人のみ)
18〜19歳 約22万人
20代 約155万人
30代 約184万人
40代 約217万人
50代 約183万人
60代 約137万人
70代以上 約239万人(東京都「住民基本台帳による東京都の世帯と人口」の推計より)
たかまつさんは、「投票率が上がることで、若い人も政治に影響力を与えることができるようになります。『投票しても何も変わらない』と悲観せず、わからなくても選挙に行って、誰かを選ぶという行動をとってほしいと思います」と呼びかける。
選び方のポイントは?
今回の都知事選は、史上最多となる22人が立候補した。
「誰に投票すればいいかわからない」という場合、投票先はどのように決めればいいだろうか。
たかまつさんは、「まずは現職である小池さんを評価するか、評価しないかというポイントで考えて、評価しない場合は別の候補者から選ぶ、という考え方をするのがいいのではないか」と話す。
「自分が重要視しているイシューごとに候補者の公約や主張を調べて投票することも大事」だという。
各立候補者の政策や主張、実績は、選挙公報やウェブサイト、新聞やテレビの報道などを通して調べることができる。
▼投票先を選ぶときのポイント
- 立候補者のプロフィールや政策が掲載された選挙公報を確認する
- 政見放送や討論会を見る
- どの政党が推薦、支持しているか調べる
- 候補者の過去の実績や言動などを調べる
- 候補者のウェブサイトやSNSを確認する
- 新聞やテレビ、ニュースサイトの公約比較を確認する......など