新型コロナウイルスの感染拡大の影響で臨時休園となっていた東京ディズニーランドと東京ディズニーシーが7月1日、運営を再開した。
強風の悪天候にも関わらず、午前8時の開園時間に合わせて、再開初日のチケットを入手した人らが続々と集った。
再開初日の園内外の様子を、写真や動画を交えてリポートする。
2月29日から臨時休園となっていた東京ディズニーランドと東京ディズニーシー。
混雑緩和と感染対策のため、「入園時間指定チケット」を導入し入場人数を制限しているが、最寄りのJR舞浜駅には久しぶりの来園に心を躍らせる人々の笑顔が戻った。
都内から訪れたという20代の女性は、「待ちに待っていた。今にでも泣きそうなくらいです」と喜びを語った。
運営の再開にあたっては、ソーシャルディスタンスを保つなど、当面の間はウイルス感染防止のための“新しい楽しみ方”になるが、「ニュースで情報は見聞きしていたし、(距離があっても)キャラクターが出迎えてくれることは変わりないので、夢の国ならではでいいかなと思う」と理解も示していた。
「当初は(サーバーが)繋がらなかったが、気合いで取った。諦めない事が大事」と運営再開初日のチケットを入手した喜びを語った。
パークでは感染対策として、来園者が入場する際には「検温」を実施し、食事の際を除き原則マスクの着用を必須とする。
また、パークで働く従業員(キャスト)には常時マスクの着用を義務付ける。
午前8時に入園時間を迎えた東京ディズニーランド。
エントランスを通りワールドバザールに差し掛かると、来園者をキャストと呼ばれる従業員や職員らがマスク越しながら笑顔で手を振って出迎えた。
東京ディズニーランドに来園した人は、その様子を「やばい泣きそう!」と声を漏らしながら撮影した。(かずきさんのTwitterよりご提供)
ワールドバザールを抜けると、早速、東京ディズニーランド・バンドが演奏で盛り上げていた。
開園を待ち望んでいたのは、来園者だけではない。来園者に話を聞くと、マスクをつけたキャストが涙を見せることもあったという。
パークで働く人にとっても、待ちに待った再開初日だったのだ。
東京ディズニーランド・シーでは当面、一部のアトラクション施設では運営を行わない。濃厚接触の機会を避ける狙いがあるほか、施設や遊具の頻繁な消毒が困難となるためだ。
パークでの楽しみ方には、アトラクション施設のほか「パレード」や「ショー」などのエンターテイメントプログラムがあるが、一部のプログラムについては、ウイルス感染対策と予防などの観点から、当面の間は実施しない方針だ。
しかし、ミッキーマウスやミニーマウスに会えないという訳ではない。開園からしばらくして、シンデレラ城前では再開後最初の「ごあいさつ」が始まった。
人気キャラクターたちが、互いに“ソーシャルディスタンス”を保ちながら来園者を出迎えた。
臨時休園期間が長引いたため、2つのパークで予定されていたイベントはほとんどが中断・中止を余儀なくされたが、キャラクターたちは約3分間、音楽に乗せて、誰もが知るお馴染みのコスチュームで元気な姿を見せた。
その後は、パレード形式での「ごあいさつ」も行われた。
人が密集した状態になるのを避けるため、通常のように開催時間は案内せず、開催直前での集客となる。
キャストが来園者に観覧場所など指示し、距離を取った中での鑑賞を促した。以前とは異なった風景だが、観た人からは思わず歓声も上がっていた。
アトラクションでも、楽しみ方は変わる。
東京ディズニーランドの『イッツ・ア・スモール・ワールド』などでは、感染対策として、座席の間隔をあけたうえで来園者を案内し乗船させる。
パレードやショーの公演がない分、アトラクションに人が集中する流れが予想されるが、入園時間指定チケットの導入で入場制限をしていることもあり、再開初日としては、概ね待ち時間は少なくなっている。
人気アトラクションでは、7月1日正午の時点で、東京ディズニーランドで人気の「スペース・マウンテン」や「ビックサンダー・マウンテン」は5分待ち、東京ディズニーシーの最新アトラクション「ソアリン」は35分待ちとなっている。
来園者の一人は、再開初日のパークについて「ちゃんと皆が距離を保って楽しんでいる所に関心しました。園内で走っている人などもいなくてマナーも良いと感じました」と話す。
新たな方法でテーマパークでの滞在を充実させるには、運営会社の試行錯誤と来園者のマナーが共に重要になりそうだ。