スターバックスコーヒージャパンは6月27日(土)、東京・国立市に、手話が共通言語の「サイニングストア」を国内で初めてオープンします。聴覚に障がいがある人が聴者とともに働き、注文などのやりとりは手話を通じて行われます。
手話ができなくても注文できるよう、指差しメニューなども用意されています。
聞こえる人も、聞こえない人も、さまざまな手段でコミュニケーションを取ることができる、新しいかたちのスターバックス店です。
「サイニングストア」とは?
『スターバックス コーヒー nonowa 国立店』は、手話を共通言語とする「サイニングストア」です。
聴覚障がいのある人と、聴者がともに働き、お店を訪れた人とのコミュニケーションも「手話」や「筆談」などを通じて行われます。
スターバックスのサイニングストアはマレーシアに2店舗、アメリカに1店舗、中国に1店舗あり、日本では初の展開となります。
お店では、19人の聴覚障がいがあるスタッフと、6人の聴者スタッフが働きます。店舗の近くにはろう学校があり、ろう文化に理解がある街と考えたため、国立市での開業を決めたそうです。
「聞こえ方、言語が違うだけです」サイニングストアの店員の思い
日本初のサイニングストアのオープンには、聴覚に障がいを持つ、スターバックスの従業員の思いがありました。
「nonowa国立店」の立ち上げに尽力した大塚絵梨さんは、マレーシアにサイニングストアがオープンしたことを知り、日本での開店を目指すようになったといいます。
6月24日のオンライン記者会見で、手話を使って店舗にかける思いを明かしました。
「スターバックスを通して、聞こえない方々、聞こえる方々、誰もが気軽にコーヒーを楽しむ環境を作っていきたい、様々な立場な方々の働ける居場所を作ることを実現したいと思いました」
聴覚に障がいがある佐藤涼太郎さんは、「障がいというイメージを一変したい」と話します。
「聞こえ方、言語が違うだけです。私たちは同じ人間です。一人一人の違いを認め合うことが大事だということを社会に伝えていきたいと思っています」
ダイバーシティ&インクルージョンに取り組むスターバックスは、障がいが理由で何らかのサポートが必要な従業員を支援する、「チャレンジパートナーサポートプログラム」を2002年から始めています。現在は365人の障がいを持つスタッフが所属しており、全国の店舗で勤務しています。
どうやってドリンクの注文や受け取りができる?
お店では、手話だけでなく、タブレットを使った「音声入力」や、「指差し」でも注文ができます。
筆談具などのツールも用意しており、複数のコミュニケーション方法で注文をすることができます。
ドリンクの受け取り場所には、デジタルサイネージが設置されています。
ドリンクができたら、手話の案内とともに、レシートに印字された番号がデジタルサイネージに表示されます。
デジタルサイネージには商品番号だけで なく、挨拶などでよく使う手話が表示されるため、手話の世界に触れることができるそうです。
「さまざまなコミュニケーションを楽しんでほしい」
店長の伊藤真也さんは、「手話をしなくてはいけない、とは思わないでほしい」と話します。
「(聴覚に障がいがある人とコミュニケーションを取るとき)一番大事なことは、目を合わせること。手話をしなくてはいけない、と思わずに、様々なコミュニケーションの手段があるということ、どういうコミュニケーションで伝えようかな、ということを楽しんでいただきたいです」
初のサイニングストアは、新型コロナ対策で透明のマスクを着用
店舗は6月27日にオープン予定ですが、新型コロナウイルスの感染防止対策で混雑を避けるため、当面は来店時に整理券が必要となります。
整理券は店頭の発券機か、専用のウェブページで発行されます。整理券発行時間は以下の通り。
6月27日(土)インターネット受付9時〜 店頭10時〜
6月28日(日)以降 インターネット受付10時〜 店頭7時〜
また、感染予防対策のため、スタッフはマスクを着用して接客するそう。マスクは口元が見えやすいよう、透明になっています。
お店の情報は以下の通り。
「スターバックス コーヒー nonowa 国立店」
住所:〒186-0001 東京都国立市北1-14-1 nonowa国立