コロナ禍で「かつてない経営危機」に直面しているとして、劇団四季が「MOTION GALLERY」のクラウドファンディングで支援を呼びかけている。
6月17日のスタートからわずか4日間、6月20日午後3時時点で目標額の1億円を突破。日本を代表する劇団のSOSに、7000人以上から平均1人1万円以上のサポートが集まっている。
「経験のない、劇団始まって以来の危機」
劇団四季は1953年にスタートした。
『キャッツ』『ライオンキング』など海外ミュージカルや、『ミュージカル李香蘭』をはじめとする「昭和の歴史3部作シリーズ」など意欲的なオリジナルミュージカルを世に送り出してきた。
現在は、東京、名古屋、大阪に計8つの専用劇場を持つ日本を代表する劇団に成長。約1400人の俳優、技術スタッフ・経営スタッフが所属し、年間の総公演回数は3000回以上、総観客数は300万人を超えている。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、2月末から6月末まで、年間公演の3分の1にあたる1000公演を中止。感染防止のガイドラインを考慮した座席配置にするため、8月30日までの公演分の前売りチケットも全席払い戻しを決定しているため、損失はさらに膨らみそうだ。
「これまでに経験のない、劇団始まって以来の危機にさらされている」と危機感をあらわにし、「これまでのような日常が戻ったときには、また客席いっぱいのお客様に感動をお届けしたい。そのために、この危機を何とか乗り越えていきたい」と支援を訴えている。
「決して諦めず、開幕まで進み続ける」
クラウドファンディングでは、1000円〜10万円まで14のコースを用意。リターン不要な「応援コース」に加え、チケット料金の支払いに利用できるギフトコードなどがもらえるコースもある。集まった支援金は中止公演の損失補填と今後の活動資金に当てられるという。
劇団四季は2月末に公演を中止して以来、SNSで積極的に発信を続けている。
4月には「#明けない夜はない」というハッシュタグで、『ライオンキング』や『ノートルダムの鐘』から引用したメッセージを投稿。
4月30日には、YouTubeの公式チャンネルに、有志の俳優らが、オリジナルミュージカル『ユタと不思議な仲間たち』より「友だちはいいもんだ」をリレー形式でリモート合唱する動画を公開。
「演劇の感動の灯をともし続ける」という姿勢を貫いてきた。
劇団四季はクラウドファンディングにあたり、「大きな痛手を抱え、未来の見通しが立たない状況が続いていますが、お客様とともに作り出す『演劇』の時間と空間を愛し、守ることを決して諦めず、一歩一歩、開幕まで進み続けます」とメッセージを発信している。
「踏ん張ってくれると信じています」「どうかこの時を耐えてください」などの声が寄せらている。