大阪府寝屋川市は、小中学校の児童生徒が、登校かオンラインかを各家庭の希望に応じて選べる「選択登校制」を導入した。子ども目線の取り組みに、反響が広がっている。
■ライブ配信が「子どもの安心」に
同市によると、対象となるのは同市立の全ての小中学校36校(約1万6千人)。同市は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、3月から一斉休校に。6月1日から各学級を二つに分け、分散登校に切り替えて授業を再開していた。
保護者から「コロナ感染が心配なので、登校を控える」との訴えが学校に寄せられていたことから、同市教委は分散登校の時からオンライン授業も選べる「選択登校制」を導入。オンラインで授業を受けたい場合、保護者は事前に市教委に申請し登録する。オンラインの場合も欠席扱いにならないという。
授業はライブ配信され、子どもたちは家庭のタブレット端末やスマホなどで視聴できる。同市教委は「自宅でリアルタイムで授業を受けられることは、子どもたちの安心につながる」としている。
■福岡市、熊本市でも
時事通信によると、文部科学省は5月下旬、感染不安を理由に学校を休む場合、合理的な理由があれば欠席扱いとしないことを可能とする見解を全国の教育委員会に示した。
文科省は、選択登校制を取り入れている自治体数を把握していない。朝日新聞デジタルによると、福岡市教委や熊本市教委も、コロナ感染に不安があるなどの世帯はオンラインでの授業も選べるという。
■ネット署名始まる
「基礎疾患がありコロナ感染の心配から自主休校しています。学校に行きたくても行けません。登校かオンラインかを選択できる取り組みが広がってほしい」
「選択肢が沢山あることは、子どもの個性や環境に即したもので大変有意義」
Twitterでは、寝屋川市の取り組みを歓迎する声が上がる。
感染を恐れて自主休校せざるを得ない家庭があるなどとして、選択登校制を求めるネット署名も始まっている。