サファリパークと大学准教授をめぐる戦いに注目が注がれている。
中国・杭州市のサファリパークが、年間パスの継続条件に顔認証システムへの登録を求めたのはプライバシーの侵害だとして、パスを購入した大学准教授が、返金を求めて訴えを起こした。
6月15日には初めての審理が開かれ、ネット上でも一部で議論が起きている。
■指紋はOKだったけど
北京紙・新京報などによると、訴えを起こしたのは浙江省の大学で准教授として教鞭を執る郭兵(かく・へい)さん。郭さんは2019年4月、杭州サファリパークの年間パスを購入し、本人確認用に指紋を登録していた。
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しかしおよそ半年後、サファリパークはシステムをアップデートし、入場には顔認証システムへの登録が必要になったと郭さんに通達。指紋はすでに使えなくなったといい、顔の登録を嫌がった郭さんはパスの返還を申し出たが、パーク側は拒否した。
結局、郭さんは顔認証への登録を求めたのはプライバシーの侵害だとして、返金を求めて地元の裁判所に訴えを起こした。15日には初めての審理が開かれ、今後判決が言い渡される見通し。
■拒否されても進む
このニュースは、ネットの一部でも議論を呼んでいる。現地メディアが「顔認証をめぐる最初の裁判だ」として報じると、「勇士だ。あちこちで個人情報を取られるのに反抗するのを支持する」「勝ち目がなくても戦ってくれ」など、郭さんを応援する声が並んだ。
顔認証などの個人情報をむやみに収集されることへの抵抗感が形となったこの訴訟。しかし、中国では顔認証の社会実装が進んでいる。
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現地メディアによると、中国での顔認証システムは、空港での本人確認や一部の決済、学校などですでに使われている。また、「天網工程」「雪亮工程」と称して、街中などに顔認証付きの監視カメラ数億台を導入している。