東京都は6月11日、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開き、感染拡大に警戒を呼びかける「東京アラート」を解除し、休業要請などの緩和の段階を示したロードマップを12日から「ステップ3」に進めることを決めた。
解除された理由は?生活はどう変わるのだろうか。
陽性者数などが目安を下回る
都は、東京アラートを解除する目安として新規陽性者数(7日間移動平均)など3つの数値を設定。6月11日の新規陽性者は22人で、全ての数値が目安を下回った。
さらに、医療体制についても入院患者は減少傾向で「十分確保できている」と判断。医師などの専門家でつくる審議会の委員からも「東京アラートを解除し、ステップ3に移行することは妥当」との話があったという。
これにより休業要請などはほぼ終了することになるため、小池百合子都知事は「経済社会活動が全面的に営まれる新たな局面に入る」と強調。
「有効なワクチンは、普及まで相当の時間を要する。そのことを踏まえるとコロナとともに生きていく。『withコロナ』という新たなステージに立って、第二波へ備えた、適切な感染拡大防止策を講じながらの社会活動、都民生活を営んでいく必要がある」と訴えた。
都では検査体制の充実などにより第二波の予兆をとらえる取り組みや、テレワークや時差通勤など「新しい日常」の取り組みへの支援などに力を入れるという。
カラオケやバーなどへの営業自粛要請も終了。ライブハウスなどは6月19日から
「ステップ3」に進んだことで、これまで営業自粛要請の対象だったカラオケやバー、ネットカフェへの営業自粛要請が終了。これまで「国の方針が決定され次第判断する」としていた接待を伴う飲食店やライブハウスについては、6月18日で自粛要請を終える。
ステップ3では飲食店の営業時間およびカラオケなどでの飲食・酒類の提供が「朝5時から夜12時まで」となるが、この短縮も6月18日で終了。6月19日からは休業要請などが全面的に解除されることになった。
1000人までのイベントも開催可能に
6月19日からは、屋内、屋外での1000人以下のイベントが開催可能に。7月10日からは5000人以下ならば開催できる。(いずれも屋内の場合は収容定員の半分以下)
これまで、屋内でのイベントは100人以下かつ収容定員の半分以下、屋外は200人以下とされていたため、大幅に緩和されることになる。
「東京アラート」効果あった?
東京アラートが出されて以降、都庁やレインボーブリッジは赤くライトアップされていた。
会議後の会見で記者から東京アラートの効果について聞かれると、赤く染まったレインボーブリッジがアメリカのゴールデン・ゲート・ブリッジのようだと話題になったことで「見物人が増えたということでお叱りもありました」と明かす。
しかし「話題になることで、警戒をしろとご理解いただいたのならば意味はあった」と強調。アラート解除に伴い、6月11日夜はレインボーブリッジが虹色にライトアップされた。