『東京アラート』、発令基準を上回るもなぜ出ていない?小池都知事の「話と違う」と疑問視する声

6月2日の感染者数は30人以上。“第2波”への懸念もある中、「目安を超えているのに、なぜ出されないのか」と疑問視する声があがっている。

東京都の小池百合子知事が5月15日に発表した、新型コロナウイルスの感染状況が再び悪化したと判断される場合に発令するという「東京アラート」。

5月末には複数の項目で発令の基準を上回っていたが未だ出されておらず、6月2日には30人以上の感染者数となっている。ネット上では「なぜ出されないのか」などと疑問の声があがっている。

記者会見する東京都の小池百合子知事=5月29日、東京都庁
記者会見する東京都の小池百合子知事=5月29日、東京都庁
時事通信社

そもそも「東京アラート」とは、小池都知事が5月15日に示した、緊急事態宣言が解除された後に独自の緩和目安を超えた場合に都民に警戒を呼びかけるために出されたもの。

発令の基準には①「1日あたりの新規感染者が20人未満」、②「新規感染者に占める感染経路不明の割合が50%未満」、③「週単位の感染者増加比が1未満」の3つがある。

東京都では5月30日、14人の感染が判明し、②の基準が53・2%で、③の基準で2・29倍と、再感染への警戒のために東京アラートを発令するの目安を複数の基準で上回っていたのだ。

都は「東京アラート」の発令について、「1項目以上の『感染(疫学的)状況』の指標の数値が緩和の目安を超え、その他の指標も勘案して警戒すべき状況と判断される場合」と言及しているが、6月2日正午時点で発令はまだない。

「東京アラート」の発動について(東京都)
「東京アラート」の発動について(東京都)
東京都公式サイト

このような中、東京都は6月1日、休業要請の解除行程を3段階で示すロードマップの「ステップ2」に移行し、映画館や学習塾、スポーツジム、商業施設などの営業が再開された。

これについて、Twitterなどネット上では「話と違う」「目安を超えているのに、なぜ出されないのか」「都知事が会見で言っていた発言とつじつまが合ってない」などと疑問視するの声があがっていた。

東京都は6月2日、新たに30人以上が新型コロナウイルスに感染していたことが分かったとして、「東京アラート」を出す検討に入ったとの報道もある。

東京アラートが発令されると、港区・台場のレインボーブリッジを赤色に点灯し、都民に注意・警戒を呼び掛け、また「それでも再要請の目安を上回った場合などは、必要な外出自粛・休業を再要請し、感染拡大防止を徹底」するとしている。

「ステップ2」に移行し、経済活動などが徐々に緩和の方向へと進んでいるが、“第2波”への警戒をするためにも、「東京アラート」が発令された場合に備えておきたい。

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