アメリカ・ミネソタ州で黒人男性のジョージ・フロイドさんが警官に首を抑え付けられ死亡した事件を受け、全米各地で抗議デモが起きている。
一部では警察との衝突や暴動、略奪にも発展しているが、多くの人たちは、平和的に、力強く声を上げ続けている。
ニュージャージー州ニューアークでは、路上に集まった人たちが、プラカードを掲げながら、音楽に合わせてダンスで抗議の意思を表現した。
ノースジャージードットコムによると、集まった人たちはマスクをし、ソーシャルディスタンスを保ちながらデモ行進。「ジョージ・フロイドさんに正義を。正義がなければ、平和はない」と声を上げ、フロイドさんが警官に対して訴えていた「息ができない」という言葉を用いて抗議の意を表した。
ワシントンD.C.では、大勢の人たちが公園に集まり、フロイドさんへの追悼として「黒人を殺すな」と声を上げた。動画の投稿者は、こうした平和的なデモがメディアで取り上げられないことに苦言を呈し、「私たちはここいる。離れたりしない」とつづっている。
カリフォルニア州サンタモニカでは、通りは集まった人で埋め尽くされた。みな一堂に、黒人の人たちへの暴力に対する抗議の意を示す仕草である、片膝を立てて拳を突き上げる姿で抗議した。フロイドさんら黒人の人たちの命が不当に奪われている現状に怒りを表明する「Black Lives Matter」と書かれたプラカードを掲げる人たちもいた。
カリフォルニア州ビバリーヒルズでは、デモ行進の列の中に仮装した人たちの姿もみられた。打楽器の演奏に合わせて、踊りながら通りを練り歩いた。
「全ての黒人の仲間たちに正義を」というプラカードを掲げる人もおり、動画の投稿者は「美しい。なんて美しいんだ」と賞賛した。
市庁舎の前に集まった人たちが、片膝を膝を立て、抗議をプラカードを掲げている動画も投稿された。投稿者は、デモの主催者が「ジョージ・フロイドさんが苦しみを味わった時間」とされる9分間、片膝を立てて黙祷を捧げたと説明したとつづった。
新型コロナウイルスにも触れて、「人種差別へのワクチンが必要だ」と訴える声もあった。
テネシー州ジャクソンでは、市庁舎の前で平和的にデモが開かれたと市長がTwitterで報告。警察が水を差し入れし、歓迎される様子の動画を投稿した。
ロサンゼルスのエコパークでは、人々はマスクをして、距離をとって座り、静かな抗議デモをした。
ペンシルバニア州フィラデルフィアでは、デモがあった翌日、ボランティアによる街の清掃が実施された。動画の投稿者は「平和なデモが暴動や略奪に発展してしまったけど、今朝はフィラデルフィアの素晴らしさが表れている!」と紹介。ゴミを拾う様子や、壁のスプレー描きを消す様子が写っている。