ファクターXとは?山中伸弥教授がサイトで仮説立て話題に。大阪府の吉村知事も「あるのでは」と言及【新型コロナ】

山中教授による『ファクターX』に関する記述には「7つ」の候補が記されている。

京都大学の山中伸弥教授が新型コロナウイルス感染症に関する情報を公開しているサイトに記載している『ファクターX』という言葉が、ネット上で注目を集めている。

5月28日から29日にかけて、日本テレビやテレビ朝日など複数のテレビ局が朝の情報番組で取り上げられていた。

一体、何を指す言葉なのだろうか。

京都大学の山中伸弥教授
京都大学の山中伸弥教授
時事通信社

山中教授が公開しているサイトには「『ファクターX』を探せ」と題して、文章が綴られている。

山中教授は、新型コロナウイルスへの感染対策について「日本の対策は世界の中でも緩い方に分類されます。しかし、感染者の広がりは世界の中でも遅いと思います。何故でしょうか?? たまたまスピードが遅いだけで、これから急速に感染が増大するのでしょうか?それとも、これまで感染拡大が遅かったのは、何か理由があるのでしょうか?」と投げかけた。

その上で、「私は、何か理由があるはずと仮説し、それをファクターXと呼んでいます。ファクターXを明らかにできれば、今後の対策戦略に活かすことが出来るはずです」と感染拡大や死者の数が海外の他の国と比べて抑えられているとされる現状には何らかの要因があるとの見解を示し、それを「ファクターX」と名付けていると説明した。

山中教授は「ファクターX」となる候補として、以下を挙げた。

・感染拡大の徹底的なクラスター対応の効果

 

・マスク着用や毎日の入浴などの高い衛生意識

 

・ハグや握手、大声での会話などが少ない生活文化

 

・日本人の遺伝的要因

 

・BCG接種など、何らかの公衆衛生政策の影響

 

・2020年1月までの、何らかのウイルス感染の影響

 

・ウイルスの遺伝子変異の影響

山中教授が仮説として立てた「ファクターX」については、専門家も言及している。

「京都大学 ウイルス・再生医科学研究所 附属感染症モデル研究センター」でウイルス共進化研究分野を主宰する宮沢孝幸氏は24日、Twitterで「山中教授も言っておられますが、ファクターXなるものがあるのかもしれません」と発信。

宮沢氏は続けて、「だとしたら、欧米の基準に引っ張られるのではなく、国内の数字を一番に参考にして施策するべきではないでしょうか」とつづり、新型コロナウイルス対策において日本国内のデータを最も参考にして策を講じるべきとの考えを示していた。

日本人(それに限らないと思いますが)は、感染者は少なく、基本再生算数(R0)は欧米よりも低いようです。山中教授も言っておられますが、ファクターXなるものがあるのかも知れません。だとしたら、欧米の基準に引っ張られるのではなく、国内の数字を一番に参考にして施策するべきではないでしょうか

— Takayuki Miyazawa(宮沢 孝幸) (@takavet1) May 24, 2020

また、大阪府知事の吉村洋文氏は25日の囲み取材の際、新型コロナウイルス感染による死者数が日本は海外の他の国と比べて抑えられているとされることについて「ヨーロッパとは違う、何か、“ファクターX”があるのでは」と話していた

ネット上では、「ファクターXは何なのか。あるとしたら早く解明されてほしい」「文化や衛生面もやはり要因になっているのかな」など、様々な声があがっていた。 

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