4月の学習参考書の売り上げが、前年の同じ時期に比べて2割増加したことが、出版科学研究所の調査で明らかになった。研究所は休校の影響と分析している。
調査を担当した同研究所の久保雅暖さんによると、一気に売れ行きが伸びたのは、2月27日に安倍首相が全国の小中高に一斉休校を要請して以降。
特に顕著だったのは小学生向けの参考書で、漢字ドリルや計算ドリル、1年を総復習するまとめ系の参考書の売れ行きが好調だった。逆に中学生、高校生向けではあまり変化がなかった。
久保さんは「子どもがずっと家にいるというかつてない状況の中で、親御さんの中にもどう勉強を教えたらいいか困った方も多かったと思う。参考書が助けになったという声が書店でも多かったようです」と語った。
小学生と中高生で変化に差がでた点については「中高生は、スマートフォン上で様々な学習アプリなどを利用することもできるが、小学生の場合はまだまだ紙の需要が大きい。親御さんとしてもデジタル学習よりも紙で、という方も多いのではないか」と分析した。
児童書のカテゴリでも、通常時に比べて、歴史にまつわるものなど学習に関連した書籍の伸びが見られたという。
久保さんによれば、『東大教授がおしえる やばい日本史』(ダイヤモンド社)などの売れ行きも伸びており、「親御さんが子どもの学習を手助けするために手に取ったという例も多いのではないか」と見ている。
書籍全体の推定販売金額は、476億8200万円で、前年同月比で21%減と大きく落ち込んだ。緊急事態宣言の影響で書店の休業が相次いだことが影響した。
5月26日(火)21時からハフポストがTwitterで生配信する番組『ハフライブ』では、一斉休校で浮かび上がった子どもの教育の課題を振り返り、働く世代に突きつけられた「家庭教育のこれから」について考えます。
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ゲスト:映画「ビリギャル」モデル 小林さやかさん
日本マイクロソフト 山崎善寛さん
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