東京都は5月22日、新型コロナウイルスへの今後の対応をまとめたロードマップを発表した。緩和の行程を3段階に分け、休業要請の緩和や都立学校の再開を段階的に進める方針。
都は、緊急事態宣言が出ている間は外出自粛や休業の要請を続ける。一方、国は早ければ25日にも宣言を全面解除する検討に入っており、都は解除された場合、ロードマップに基づき段階的に緩和する。
■3ステップで段階的に緩和
第一段階である「ステップ1」の緩和対象は、博物館や図書館などの展示施設、観客席を除く体育館や水泳場など屋内の運動施設など。スポーツの無観客試合も可能となる。
「ステップ2」は、学習塾や劇場、映画館、商業施設など。
「ステップ3」はネットカフェや漫画喫茶、パチンコ店、ゲームセンター、遊園地などが含まれる。
イベントの参加人数も、50人(ステップ1)、100人(ステップ2)、1000人(ステップ3)と段階的に引き上げる。
■学校は分散登校。めど立たない施設も
休校が続く都立学校は、児童生徒の登校者数や在校時間を制限する「分散登校」から再開。最初は週に1回、在校時間を2時間程度とする。その後、「週2~3日」「週3~4日」と徐々に登校頻度を増やし、在校時間も「半日」「1日」と延ばして全面再開を目指す。
集団感染のリスクが高いとされる接待を伴う飲食店やライブハウス、カラオケ店やスポーツジムなどは緩和のめどが立っていない。
都は、感染の第2波への備えとして、休業などを再要請する指標の基準値を超えた場合は「東京アラート」を発動することも発表した。発動中は、お台場のレインボーブリッジを赤色に点灯して注意を呼び掛ける。
ステップ1〜3の移行は、
・新規感染者数が1日20人未満(1週間平均)
・新規感染者における感染経路の不明率が50%未満
・週単位の陽性者の増加比が1未満
という三つの数値基準に基づき判断する。
小池百合子知事は22日の会見で、ロードマップの狙いについて「感染症防止と経済社会活動の両立を図る、という新しい日常を定着していこうという気持ちはみなさんが持っている。その道筋を示し、乗り越えるために作成した」と説明した。
【UP DATE】2020年5月27日09:30
緊急事態宣言が全国で解除されたことを受け、東京都は26日にSTEP1へと移行した。国が基本的対処方針を改定したことに伴い、都は27日、ロードマップの一部を改定し、発表した。
主な改定のポイントは、
・休業要請の緩和の時期が未定だったスポーツジムは、STEP2で緩和対象とする。
・カラオケと接待を伴わないバーはSTEP3で休業要請を緩和する
・イベントの参加人数は、STEP1は屋内で100人以下に拡大。STEP3に移行した場合、6月19日から1000人以下、7月10日以降は5000人以下とする。8月1日をめどに「収容定員の半分以下」に緩和する。屋内施設ではどのステップでも、収容定員の半分以下が要件。
・東京から他県への不要不急の移動自粛は、国の指針に合わせて6月18日まで続ける。
接待を伴う飲食店とライブハウスは、引き続き休業要請の緩和時期が未定。国は6月18日をめどに感染拡大防止のガイドラインを策定する方針で、都は国の決定を踏まえて判断するという。
STEP2への移行の可否は、5月29日の都の対策本部会議の後に判断し、早ければ30日に移行する見込み。