1993年のJリーグ開幕から5月15日で27年を迎えた。
新型コロナウイルスの影響で公式戦の中断が続く中、JリーグはYouTubeの公式チャンネルで27年前に行われた開幕戦を当時試合に出場していたOB選手とともに観戦する企画『#おうちでJリーグ』を開催。
5月15、16の両日で計5試合をライブ配信し、それぞれの試合に出場していたOB選手が試合を見ながら思い出や裏話を語り合った。
浦和レッズ「練習場もなかった」
5月16日午前10時からライブ配信されたのは、27年前のこの日に行われた ガンバ大阪 vs 浦和レッズ戦。
当時、浦和レッズのコーチを務めていたJリーグの原博実副理事長がMCを務め、当時の試合に出場していた永島昭浩さん(大阪FW)、本並健治さん(大阪GK)、柱谷幸一さん(浦和FW)、福田正博さん(浦和MF)がそれぞれの自宅からくつろいだ様子でトークを繰り広げた。
今では強豪に名を連ねる浦和レッズだが、当時は「Jリーグのお荷物」と言われたほどの弱小チームで、この開幕戦も1-0で敗北した。
福田さんは開幕戦前に「ほんの数回しかこのチームで練習していないんですよ。チームの状態もあまりよくなかったし、外国籍の選手とはほとんど話したこともなかった」と語り、不安を抱えたまま臨んだゲームだったと告白。
「練習場もなかったんですよ、浦和は…。車で着替えて、練習後は公園の水道みたいなので手を洗ってた。荒川のグラウンドとか、雨が降ると近くの体育館とか、半年くらいそんな感じだったんですよね」と当時を振り返ると、「そうだった」「河川敷だったね」と原さんや柱谷さんとうなずき合った。
その後、浦和レッズの監督も務めた原さんも「当時はプロのコーチもほとんどいなかった」と感慨深げに語り、選手としてプレーを続けたい気持ちがありながらも指導者に回ったと明かした。
伝説のジーコのハットトリックも
また、午後4時からの4戦目は、ジーコさんやアルシンドさん、秋田豊さんなどスター選手が勢揃いしたいた 鹿島アントラーズ vs 名古屋グランパス を配信。ジーコのハットトリックが伝説的な試合だ。
「このあと大惨事になるんだよな」「サントスっていい選手だったよなあ」…と、和やかに歴史的な1戦を振り返ったり、「基本的にアルシンドは守備に帰らない」「基本的に外国人選手は真面目で模範になる選手を連れてきてた…アルシンドをのぞいて(笑)」とかつての盟友をいじったり。
「ジーコは秋田豊にインサイドキックを教えてた」「FWは試合前日に(ジーコと)マンツーマンでシュート練習だった」と、“サッカーの神様” の愛称で慕われたジーコさんの思い出話も繰り広げた。
ライブ配信には、投げ銭機能の「スーパーチャット」を実装。収益の一部は次回以降の制作費に充てるという。
「たとえスタジアムでサッカーができなくても…」
Jリーグ開幕の旗揚げ試合が行われた5月15日には、Jリーグの村井満チェアマンは「今、世界中で、新型コロナウイルスといういまだかつて経験したことのない脅威に直面し、Jリーグは初めてサッカーのない『Jリーグの日』を迎えています」とメッセージを発信。
「たとえスタジアムでサッカーができなくてもスポーツにはたくさんの可能性があることを私たちは知っています」と、サッカーを愛する人々に呼びかけた。