GoogleのスマートフォンPixelシリーズと言えば、夜景モードを始め、ソフトウェア面での画質処理によるカメラ性能で高い評価を受けています。そのカメラ性能の立役者とも呼べる主任エンジニアのMarc Levoy氏が、3月にGoogleを退職していたことが明らかになりました。
Marc Levoy氏はスタンフォード大学時代にGoogleの支援を受けて、複数の写真をつなげて一続きに表示するマルチパースペクティブイメージを研究。これは、その後ストリートビューとしてGoogleに採用されています。その後、Google XにてGoogle Glassに携わり、Googleに正式入社後は、NexusやPixelに採用されるHDR+を開発するなど、デジタルカメラ技術に取り組み続けていた人物です。
退職の理由は明かされていませんが、この件を最初に報じたThe Informationによると、1月にはPixelのゼネラルマネージャーだったMario Queiroz氏もGoogleを退職しており、Pixel 4の売り上げ不振が原因ではないかとの推測もなされています。
The Information誌によると、Pixel 4は発売後の2四半期で200万台の出荷にとどまっており、Pixel 3の350万台、Pixel 3aの350万台から大きく落ち込んでいたとのこと。また、2019年末の会議では、ハードウェア部門トップのRick Osterloh氏が、Pixel 4について不満を漏らしていたとの話も伝えられています。
このことが退職の直接の原因ではないかもしれませんが、なんにせよ、GoogleにはすでにLevoy氏はおらず、これから出るPixelシリーズのカメラ性能がどうなっていくのか、不安が残るところではあります。なお、Googleはまもなく、Pixel 4世代の廉価版となるPixel 4aをリリース予定です。
(2020年5月14日 Engadget 日本版「Pixelカメラを牽引したMarc Levoy氏がGoogleを退職」より転載)
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