韓国で、不法に撮影された性搾取物を所持しただけで処罰の対象とするなど、性犯罪に関わる法律を厳しく取り締まるよう改正した、いわゆる「n番部屋防止法」がまもなく施行される。
法務部は、刑法および性暴力犯罪の処罰などに関する特例法、犯罪収益隠匿の規制および処罰などに関する法律など一部を改正が5月12日、国務会議で議決されたことを発表した。
未成年者擬制強姦の基準年齢を13歳→16歳に
未成年者擬制強姦罪(法定強姦。性的同意年齢未満の子供に対する性行為をした罪)の基準年齢は、既存の13歳から16歳に引き上げられた。
改正された法律が施行されると、16歳未満の未成年者と性的な関係を持った場合、相手側の同意があったかどうかに関係なく処罰を受けることになる。
なお、被害者が13歳以上16歳未満の場合には、加害者が19歳以上の成人である場合のみ、処罰をうけることになる。
13歳未満の未成年者を対象にしたの性犯罪の処罰要件も強化された。
強制わいせつの法定刑では罰金刑が削除され、5年以上の懲役刑として処罰される。また、擬制強姦・わいせつ罪は公訴時効が廃止された。
改正された法律は、一部公訴時効廃止規程を除外して、来週にも公布される。
性搾取物映像物制作・流出罪法定刑の上向
性搾取映像物制作・頒布罪の法定刑も引き上げられた。
これまでの「5年以下の懲役または3000万ウォン以下の罰金」から「7年以下の懲役または5000万ウォン以下の罰金」と改定された。
被害者自らが撮影した映像物であっても、同意なしに流出された場合には処罰を受け、性的撮影物を利用した脅迫・強要は、既存の刑法の代わりに性暴力法の適応を受けるようになり、それぞれ懲役1年または3年以上の加重処罰を受ける。
重大な性犯罪は計画だけでも処罰される予備・陰謀罪を新設
児童・青少年を利用したわいせつ物の場合、これまでは所持行為に対してだけが処罰をの対象になっていたが、改正案では対象が拡大された。
今後は、成人を対象にした不法性的撮影物を所持・購入・所蔵・視聴した場合には3年以下または3000万ウォン以下の罰金刑となる。
合同強姦・未成年者強姦など、重大な性犯罪関連においては、準備したり計画を相談したりすることも処罰される予備・陰謀罪が新設された。
改正案では、被害者の顔など写真を全身露出写真と合成するいわゆる「ディープフェイク」製作・頒布罪も犯罪収益隠匿規制法上、重大犯罪として規定された。これにより、犯罪収益などを取り戻すことができるようになった。
ハフポスト韓国版を翻訳・編集しました。
韓国の「n番部屋事件」とは?
チャットツール「テレグラム」上で発生した韓国の事件。犯人グループはSNSで女性をだまして性的な写真を入手し、それを元に脅迫する手口でさらにエスカレートした性的搾取画像や映像を送らせたりしていた。画像などは複数の有料チャットルームで共有され、金を払った会員26万人(重複含む)がそれを見ていた。被害者の女性は未成年を含む多数にのぼり、一連の事件で140人が検挙されている。韓国政府は、会員になって閲覧していた者も含む全員を厳正に調査し、処罰する方針だ。