新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2月末から臨時休園の対応となっている東京ディズニーリゾート。
東京ディズニーランドと東京ディズニーシーの2つのパークの運営再開後、混雑時に行われる「入場制限」の基準人数を通常の3倍程度に厳しく設定することを検討する可能性が出ている。
運営再開を待ち望む声が上がる一方、課題も
東京ディズニーランドと東京ディズニーシーは、2月29日から臨時休園となっている。
2つのパークが10日間以上にわたって休園するのは東日本大震災があった2011年以来で、2ヶ月以上の臨時休園は過去の歴史の中でも最長となった。
再開の日を心待ちにする人の声も聞かれるが、運営する株式会社オリエンタルランドは5月8日、「引き続き休園期間を延長する」と公式サイトで発表。
今後の運営再開については「政府、自治体の要請が解かれた段階で再開時期を判断し、お知らせいたします」としている。
運営再開後の課題は多い。
臨時休園の期間が長かった反動で来園希望者が殺到してしまうことや、一部の施設などが屋内にあるため、「密集」・「密閉」・「密接」のいわゆる“3密”を作り出してしまうことへの懸念がある。
来園客がパレードやショー、アトラクションなどを楽しむために並ぶ「待機列」をどう解消するかも課題だ。
世界では、上海ディズニーランドが先陣を切って5月11日に運営を再開した。
待望の運営再開で注目されたが、公式サイトによると、大部分のアトラクションやグッズの販売店舗・レストランなどは営業を始める一方、一部のパレードなどは再開を見合わせるほか、キャラクターとの2ショット撮影などは出来ない。
従業員が来園者にこまめな消毒を呼びかけたほか、アトラクションなどの待機列でも「ソーシャルディスタンス」を取れるよう工夫が凝らされた。
入場制限の基準、約3倍厳しくする可能性も
ハフポスト日本版は5月7日、日本のパークを運営する株式会社オリエンタルランドに対し、上海ディズニーランドの再開ケースを参考にするのかなど今後の運営方針について聞いたが、「現状何も決定しておらず、明確な回答は出来ない」としていた。
しかし、取材をさらに進めると、混雑時に行われるパークの「入場制限」の基準人数を、従来の3倍程度にまで厳しく設定することを検討する可能性が出ているという。
その場合は、2つのパークでそれぞれ2万人から2万5千人を上限人数に設定するとみられる。
東京ディズニーランドではこれまで、7万5千人前後で入場制限を実施した例が過去にあり、それをもとに計算すると、基準を3倍程度厳しくなることが分かる。
株式会社オリエンタルランドは、テーマパークを安全に運営するための行動規準『The Four Keys~4つの鍵~』を公表している。
そこには「わたしたちは、安全を最優先し、行動します」と記されており、安全を徹底する姿勢を示している。
東京ディズニーランドでは2020年、新エリアとなる『ニューファンタジーランド』がオープン予定だが、これについて運営会社は「両パーク再開後の状況を見て決定」すると既に発表している。
陽の目を見るのは、いつになるのだろうか。
夏休みや人気のハロウィーン期間など、本来ならば、これからの季節は多くの集客を見込める時期に入っていくが、新型コロナによる影響は、運営を再開した後もしばらく続きそうだ。