新型コロナウイルスの感染拡大防止策として政府が打ち出し、全世帯に2枚ずつ配布するとした布製マスクの都道府県別の配布状況を厚生労働省が公表している。
それによると、大型連休が明けた5月7日の時点で、東京都以外の46の全ての道府県で「準備中」となっていて、ほとんどの国民に未だ届いていないことが分かった。
厚生労働省が公式サイトで公表している『布製マスクの都道府県別配布状況』には、東京都以外の46の全ての都道府県で「準備中」と表示されている。
また、「準備中」の都道府県については、「日々、生産・配達状況が変動するため、お届け予定日程は前後いたします」「感染者数が多い都道府県から順に配布いたしますので、地域によって配布の時期が異なりますが、ご理解とご協力のほどよろしくお願い申し上げます」とお断りが書かれている。
布製マスクの配布は安倍首相が4月1日に自ら表明したもので、466億円もの予算を計上して実施している対応策。
感染者数が最も多い東京都に関しては、4月17日に配布が始まった。
布マスクはまず、全戸への配布に先立って妊婦に優先的に配られていたが、配布されたマスクからカビや髪の毛の混入といった欠陥が相次いで発覚。
配布の表明以降、1ヶ月以上が経過しても全国に行き渡らないマスクについては、野党をはじめとする国会議員からも批判が出ている。
社民党の福島みずほ参院議員は7日、Twitterで「自動のPCR検査機は1億円だと厚生労働省が言いました。安倍総理の2枚の布マスクは466億円ですから、466機買えるではないですか。各県に1機でも47億円。10分の1の費用で、自動の検査機を各県に置けるのです。こっちの方にこそ税金を使うべきです」と発信し、政府の税金の使途を批判していた。
Twitterでは「布製マスクの都道府県別全戸配布状況」がトレンド入りし、「毎日いつ届くかチェックしていたのに、なんだ準備中か」「結局東京都以外に配られてないんじゃん」「マスクが全ての世帯に届く頃には収束しているのでは。それならPCR検査の検査数を増やして欲しい」などと様々な声があがっていた。