連休で「1億人以上」が中国で大移動。新型コロナ感染「第二波」は起きないか...相次ぐ心配の声

観光を再開させることで経済を回復軌道に戻すほか、全人代に向けて新型コロナを乗り切った雰囲気を作り上げる狙いがあるとみられる

「のべ1億人以上が移動する」ー。

そんな話題が日本のネット空間を驚かせている。

中国では5月1日からメーデー(労働節)の5連休に入る。政府は連休中に交通機関を利用する人はのべ1億1700万人にのぼると予測を発表。感染第二波の拡大に警戒している。

NANJING, CHINA - APRIL 30, 2020 - Passengers travel by train at the railway station. Nanjing, Jiangsu Province, China, April 30, 2020. The transportation of "May Day" holiday has reached its peak.- PHOTOGRAPH BY Costfoto / Barcroft Studios / Future Publishing (Photo credit should read Costfoto/Barcroft Media via Getty Images)
NANJING, CHINA - APRIL 30, 2020 - Passengers travel by train at the railway station. Nanjing, Jiangsu Province, China, April 30, 2020. The transportation of "May Day" holiday has reached its peak.- PHOTOGRAPH BY Costfoto / Barcroft Studios / Future Publishing (Photo credit should read Costfoto/Barcroft Media via Getty Images)
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■例年より少ないが...

中国政府・交通運輸部の発表によると、5月1日からの5連休期間中に、鉄道などで移動する人は1億1700万人ほどとみられる。これは例年の1/3程度の数字で、旅行先も同じ省のなかにとどまるなど、近距離がメインだという。

中国では、徐々に観光地が再開に向けて動き出している。

文化観光部の発表によると、中国国内の観光地のうち7割近くが段階的に営業を始めたという。象徴的なのは北京市にある世界遺産の故宮で、5月1日を皮切りに観光客の受け入れを再開する。

危ぶまれるのが、春節(旧正月)に行われた民族大移動の再現だ。

中国では、1月25日の春節に向けて帰省や海外旅行が本格化した。武漢市は23日に先がけて都市封鎖を実施したものの、大規模な人の移動が感染を広げたとの見方もある。

このニュースが日本に伝わると、Twitterでも「延べ1億人以上」がトレンド入り。「感染が拡大しないことを祈ります」「ちょっと怖い」「日本に来ることはない」など不安の声が相次いで上がった。

日本政府はすでに中国全土を含む世界の国と地域に対して入国拒否を実施しているため、これらの観光客が日本に入ることはできない(日本国籍者らは除く)。

■政府も対策を徹底

中国政府は、観光を再開させることで経済を回復軌道に戻すほか、5月下旬に開催が決まった全人代(日本の国会に相当)に向けて、新型コロナを乗り切った雰囲気を作り上げる狙いがあるとみられる。

そのため、感染第二波の発生には神経質になっていて、文化観光部では▽観光地の室内スペースは開放しないことや▽観光客の受け入れは最大収容人数の3割までとするなど、感染拡大防止策を徹底する方針だ。

また、故宮も時間ごとに入場者を制限し、一日で最大5000人までとする方針だ。

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