私たちの多くが今、在宅勤務をせざるを得ない状況になっている。そして、それぞれが思い思いに仕事に適していそうな場所を家の中で見つけていることだろう。とは言え、オフィスで座っている椅子など、普段の整った仕事環境が完備されていないことは、控えめに言ってもつらいものがある。
背中を丸めて前屈みになりながらパソコンに向かってしまったり、座り心地の悪さゆえに何度も座り直してしまったりするのは、あなた1人の悩みではない。
在宅勤務期間がこの先どれほど続くかはわからないが、今のうちに出来るだけ心地良い環境を整えておくのが得策だろう。
「これからしばらくの間、私たちの多くが予想外にも家で働く状況になっています」と人間工学専門家のジョー・ブラッド氏は語る。
「色々と難はありますが、上手く整えられた仕事環境は、気分を良くし、この先起こり得る体の痛みを防ぐことができます。当分の間は家にある物を有効活用して、効率的な仕事環境を整えていくことができますよ」とのことだ。
以下、姿勢と人間工学に関する専門家に聞いた、在宅勤務を少し楽にするための具体的なライフハックを紹介していく。家での仕事や勉強などの際に、是非自分に合ったものを取り入れて役立ててほしい。
1. パソコンの位置を高くし、前屈みの姿勢を改善する
「これが最大の問題点です」と語るのは、ザ・カルチャー・ビルダーズの創立者で、リモートワークの専門家でもあるジェーン・スパロウ氏。ある程度の高さがある場所にパソコンを置いて作業をするか、パソコンの下に本を積むのも手だそうだ。大まかには、パソコン画面の上部が眉毛と同じくらいの高さに来ると良いという。
ノートパソコンスタンドは本に代わる素晴らしいツールだ。理学療法士で人間工学コンサルタントであるブランウィン・クリフォード氏は、厚めのリングファイルでも代用が効くと言う。
「これらのツールは、パソコン画面の位置を少し高くするにはうってつけです」と彼女は語る。
「テーブルの使用時はもちろん、ソファーに座っている時にも使えます。ソファーに座っている時は厚めのリングファイル同様、クッションを使うことで前屈みになることを防ぐことができます」
2. クッションを活用する
キッチンテーブルは在宅勤務時には最適の場所だ。しかし、テーブルは作業用デスクよりも少し高めに設計されている場合が多く、椅子もオフィスにあるようなタイプのものよりも少し低めに設計されている場合が多いそうだ。
ブラッド氏は「クッションを椅子の上に置いて、腰の位置を正してください。肩の力も抜けて、腕も机に平行なちょうど良い高さになるので、正しい姿勢になっているとすぐに感じるはずです。もしも、ちょうど良い高さになった時に足が地面から浮いてしまっている場合は、足元に分厚い本を置いてください。そうすることで太ももやお尻にかかる圧力が軽減しますよ」と語る。
3. 時々立ったままで仕事をする
キッチン周りの高いテーブルにパソコンを持っていけるならば、それは素晴らしい環境だ。しかし、そういった場所がない場合は、自ら即興で作ってみるのも手だ。
例えば、アイロン台を押入れから引っ張り出して、デスク替わりにするのはどうだろう?クリフォード氏は、本棚の上や段にパソコンを置いて作業をしてみるのも良いだろうと述べている。
4. 膝上デスクを買う
他に座れる場所がなく、ベッドやソファーで仕事をせざるを得ない場合は、ポータブルデスクも便利だ。折り畳みや高さの調節が可能なものも多いので、是非試してみてほしい。
5. 電話中は歩く
スパロウ氏は、誰かと電話をしているときは、家の中を歩き回ることを提唱している。「これは私自身がいつもやっていることなのですが、これをすることで、パソコン画面から一度離れて窓の外を見て、眼を休憩させることが出来るのです」とのことだ。
6. 注意メモを貼る
「パソコンの端に、『姿勢を正して』と注意メモを貼っておいて、気づくたびに背筋を伸ばすのです」とスパロウ氏は語る。
7. ソファーには出来る限り座らない
「ソファーに座った状態でノートパソコンを使って作業をすると、下を向くために首を曲げなくてはいけないので、長い目で見ると首や背中、肩などの痛みを引き起こす原因にもなってしまいます」とブラッド氏は語る。
8. キーボードとマウスを使う
もし少しお金をかけられるなら、キーボードを別に購入して、パソコン本体を目の位置まで高く設置するとよい。「パソコンを高い位置に置いたら、キーボードとマウスはすぐ手元に置いて、無駄に腕を伸ばさなくても済む状態にしましょう」とブラッド氏は語る。
9. 椅子を時々替える
仕事時に座る場所として、オフィスの椅子に勝るものはない。しかし、それがないならば、小まめに複数の椅子を入れ替えて使ってみてほしい。例えば、少し変化を与える為に、作業の合間にダイニングの椅子からスツールへ入れ替えたりするだけでもいい。
そして、もちろん...
・定期的に休憩を取ってストレッチをしよう。
・良い景色の場所ー可能なら窓際での作業を。自然光と外の景色は大切。
・もし仕事に必要なものが揃っていない場合は、上司に相談しよう。何か手を打ってくれるかもしれない。
ハフポストUK版の記事を翻訳、編集しました。