リーマンショックとは?原因、日本への影響は?新型コロナと経済への影響を比較され話題に

低所得者向けローンの焦げ付きに端を発した世界的な経済危機。日本でも景気に大きな影響をもたらした。
米金融大手リーマン・ブラザーズが経営破綻し、ニューヨーク証券取引所でぼうぜんと座るトレーダー(アメリカ・ニューヨーク)=2008年9月15日撮影
米金融大手リーマン・ブラザーズが経営破綻し、ニューヨーク証券取引所でぼうぜんと座るトレーダー(アメリカ・ニューヨーク)=2008年9月15日撮影
EPA=時事

新型コロナウイルスの感染拡大は、経済に大きな影響を与えている。安倍晋三首相は3月28日夜に行った記者会見で「リーマンショック時の経済対策を上回る対策を講じていく」と言及。国際労働機関(ILO)はリーマンショックを上回る危機を予想し、国際通貨基金(IMF)も、「同規模か、さらに悪い景気後退をもたらす」との見通しを表明している。

リーマンショックはなぜ起こり、どういった影響をもたらしたのかをまとめた。

起こったきっかけは?

リーマンショックは、2008年9月15日にアメリカの投資銀行大手「リーマン・ブラザーズ」が倒産したことをきっかけに起こった世界的な金融・経済危機のこと。

野村證券SMBC日興証券などによると、きっかけは低所得者を対象とした高金利住宅ローン「サブプライムローン」の問題だ。2001年以降、アメリカ政府は信用度の低い借り手向けの高金利住宅ローン「サブプライムローン」の融資基準を緩和。低所得者が利用するだけでなく、サブプライムローンを組み入れた証券化商品が多数発行され、投資家の購入も加熱する証券バブルが発生していた。

しかし、2007年以降地価が下落。借り手側のサブプライムローンの返済率が滞り始めると金融機関などが次々に損失を計上するサブプライムローン問題が表面化し、リーマン・ブラザーズの破綻、リーマンショックにつながった。

日本への影響は?

日本でも影響は大きく、実質GDP成長率は2008年がマイナス1.0%、2009年がマイナス5.5%と2年連続でマイナス成長となった

2008年末には、非正規雇用の契約を更新しない「雇い止め」や、派遣社員などの契約を打ち切る「派遣切り」などが行われ、会社の寮を出なければいけなくなった人たちが東京・日比谷公園に設けられた「年越し派遣村」に集まった。厚生労働省のまとめでは、2008年度卒で内定取り消しを受けた人は2143人だった。完全失業率は2009年7月に5.5%まで上昇した

政府は2009年4月、「経済危機対策」を発表。総事業規模は56.8兆円だった。国民1人につき1万2000円(18歳以下と65歳以上は2万円)の「定額給付金」も給付された。

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