JOC会長、オリンピック代表選考は「競技団体の決断を尊重。2年延期ならほぼリセットだったと思う」

東京オリパラの1年程度の延期決定を受けて会見。記者から、すでに代表が内定した競技の選考をやり直す可能性について問われました。
取材に応じる日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長=3月25日、東京都新宿区
取材に応じる日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長=3月25日、東京都新宿区
時事通信社

東京オリンピック・パラリンピックの1年程度の延期決定を受けて、日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長が3月25日に会見を開いた。

代表選考への影響について、各競技団体の決断を尊重する考えを示した上で、「2年延期ならほとんどがリセットだったと思う」と見解を語った。

オリンピックの代表選考は、各競技団体が独自の基準を設けている。例えば世界ランキングや国際大会の成績、国内の選考会の結果などを踏まえて選考している。

記者から、すでに代表が内定した競技の選考をやり直す可能性について問われた。

山下会長は一般論と断った上で、「数カ月の延期であればほとんどの内定選手がスライドで、2年であればほとんどリセットだったと思う」という見解を説明。続けて「1年間ですね。各競技団体も対応を悩むところ。競技団体によって状況が異なるので、対応も異なる」と述べた。

山下会長自身、1980年のモスクワオリンピックの柔道の代表に内定していたが、日本が大会をボイコットしたため出場が幻となったという経験がある。

選考について「各競技団体の決断を尊重する」という姿勢を示した上で、次のような見解を示した。

「仮に今回の選考を白紙に戻すという国内競技連盟が出てきた場合、出場が幻に終わる選手が出る可能性がないわけではない。代表がまだ決まってないところも多いですが、内定が出たところはどうするのか。各競技団体が早急に詰めていくところだろうと思っています」

JOCがリーダーシップを取る考えがあるかを問われると、「相談は乗れるが、ガイドラインを作るのは厳しい」と述べた。

自身の経験を踏まえてアスリートへの言葉を求められ、次のように呼びかけた。

「思うようにいかない、予想もしないこともあります。モスクワオリンピックのボイコットを経験した身からして、そういう状況になっても腐らず諦めないでほしい。2020年で競技人生を終えると明言していた人もいます。難しいと思いますが、もう一度気持ちを切り替えて前向きにチャレンジして欲しい」

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