フランスのオリヴィエ ヴェラン保健大臣が3月14日、新型コロナウイルスに関して、イブプロフェンといった抗炎症薬が感染を悪化させる恐れがあるとTwitterで警告している。
この警告を受けて記者会見で見解を問われたWHOは「まだ証拠がなく、WHOの専門家が調査を進めている段階だ」とし、念の為「自己判断で服用しないように」と注意喚起した。
ヴェラン保健大臣は「イブプロフェンやコルチゾンといった抗炎症薬の服用は、感染を悪化させる要因となる可能性がある」と指摘。
「発熱がある場合は、パラセタモール(別名アセトアミノフェン)を服用するようにして欲しい。既に抗炎症薬を服用している場合は、かかりつけ医に相談して」と呼びかけている。
ガーディアンによると、ヴェラン保健大臣は、抗炎症薬が体内の免疫機能を軽減させる傾向があり、感染症の患者にとって危険性が伴うと指摘しているという。
WHOは、17日の定例会見で、このヴェラン保健大臣の見解について問われると、「イブプロフェンが高い死亡率につながるのかまだ証拠がなく、WHOの専門家が調査を進めている段階」とした一方で、念の為自己判断では飲まずに、代わりに解熱鎮痛薬の「アセトアミノフェン」を使うように、と呼びかけた。
また、イギリスのNHSも同様に、まだ証拠は得られていないものの、念の為、医師が勧めた場合以外には、パラセタモール(アセトアミノフェン)の薬にするようにと警告している。
一方、ウィーン医科大のTwitterアカウントでは、関連して出回っている一部の情報について「新型コロナウイルスとイブプロフェンの関係について、ウィーン医科大学病院の研究結果だとする情報はフェイクニュースだ」と指摘している。
イブプロフェンなどは、ドラッグストアで購入できる市販薬などにも含まれている。
The Localによると、フランスでは1月中旬以降、イブプロフェンやパラセタモール、アスピリンといった鎮痛剤は消費者が棚から直接取ることができなくなった。購入を希望する場合は、薬局や薬剤師に相談する必要があるという。
ヴェラン保健大臣13日、フランス国内の新型コロナウイルス感染者が1日で800人増えたと発表。感染が確認された3661人のうち、79人が死亡したと伝えている。