新型コロナウイルスの感染拡大が世界各国の株価に大きな影響をもたらしている。
毎日新聞によると、3月9日のニューヨーク株式市場はダウ工業株30種平均が前週末終値比で一時2000ドル超下落。取引時間中としては過去最大の下げ幅となった。
これを受けて3月10日午前、東京株式市場でも懸念が一段と強まって売り注文が膨らみ、日経平均株価は一時1万9000円を下回った。1万9000円を下回るのは取引時間中としては2018年12月26日以来、約1年3カ月ぶり。NHKなどが報じた。
時事通信によると、3月9日は欧州株式市場でも投資家のリスク回避姿勢が強まり、主要国の株価指数は軒並み大きく値を下げた。イギリスの代表的な株価指数であるFT100種平均株価指数は7.7%安となり、EU離脱を決めた国民投票の直後以来、3年9カ月ぶりの安値を更新。ドイツの株価指数は7.9%安、フランスも8.4%安となった。「株式市場は『血の海』となった」と分析するアナリストの声も紹介している。
ブルームバーグによると、ヨーロッパの株価指数であるストックス欧州600指数は7.4%安と、2008年のリーマン・ショック以来の大幅な下げとなった。イタリアの代表的な株価指数であるFTSE・MIB指数は一時11%を超えて下落した。
3月9日、各国の主な市場における株価指数の下落率は以下の通り。
イギリス…7.7%
ドイツ…7.9%
フランス…8.4%
イタリア…一時11%超え
新型コロナウイルスの感染拡大をめぐっては、アメリカ・ニューヨーク州のクオモ知事は7日、州内の新型コロナウイルスの感染者が急増したことを受け、非常事態宣言を出した。イタリアでは、ジュゼッペ・コンテ首相が3月9日、新型コロナウイルスの感染拡大を封じ込めるため、これまで北部に出していた移動制限措置をイタリア全土に拡大すると発表している。
さらにロイターによると、石油輸出国機構(OPEC)にロシアなど非加盟産油国を加えた「OPECプラス」の協調減産体制をめぐる協議が3月6日に決裂。3月9日の原油先物相場は激しい売りに見舞われた。下げ幅は一時、1991年の湾岸戦争以降で最大の30%を超えとなった。
こうした動きにより、世界経済の景気後退入りに対する懸念が一段と高まったとみられる。