新型コロナウイルスの影響で、トイレットペーパーが店頭で入手しづらくなる事態が起きている。
マスクが増産されることで「材料に紙が使われる」とする憶測が広がり、トイレットペーパーが不足するという誤った情報が流れたからだ。
そうした不安を払拭しようと、静岡県の製紙メーカーが3月2日が投稿したツイートが話題になっている。投稿したのは丸富製紙株式会社。
トイレットペーパーの在庫が山積みになった倉庫の写真を投稿し、次のようにつづった。
「各地でトイレットペーパーが不足するなど、一部報道されておりますが、当社倉庫には在庫が潤沢にございますので、ご安心ください!今後も通常通り、生産・出荷を行なっていく予定です」
ハフポスト日本版は3月3日、丸富製紙に話を聞いた。担当者はツイートの経緯をこう明かす。
「トイレットペーパーがなくなるのではないかという不安で日本がパニックに陥っているので、落ち着いてほしいと思って、生産状況や在庫も十分にあることを発信しました」
丸富製紙は、静岡県富士市と沼津市を生産拠点とし、月のトイレットペーパーの生産量は約1万2000トン。現在の約1万トンの在庫があるという。
全国的な「買い占め」による一時的な需要の高まりを受けて、出荷量を通常の約1.5倍にして対応しているという。
それでもなぜ、店頭での品薄が起きているのか。
担当者はこう説明する。
「生産メーカーから紙問屋に出荷され、そこからスーパーやドラッグストアなどの店舗に配送されます。トイレットペーパー自体の在庫は潤沢にあるのですが、届け先の店舗数が多いため、(問屋から)商品を配送する物流が間に合っていない状態です」
メーカーには消費者から直接、在庫の有無や出荷時期を尋ねる問い合わせがあるとも明かす。
「トイレットペーパーが不足することはありえない」と強調した上で、不要な買い占めは控えて欲しいと呼びかける。
「お手持ちのトイレットペーパーで1カ月、2カ月は保つという人は、買い占めは控えて欲しいです。1日でも早く市場を安定させるため出荷の努力をしているので、もうしばらくかかるかもしれませんが、辛抱強く待ってほしいです」