新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日本国内の2大テーマパークの東京ディズニーリゾートとユニバーサルスタジオジャパン(USJ)は2月28日、臨時休園を発表した。共に休園期間は、2月29日から3月15日までとなる。
ウイルスの感染拡大と来園者の安全を守るための判断だが、影響を受けるのは運営会社や来園予定だった人だけでない。
テーマパークの場合、その影響はショーやパレードの出演者やアルバイトとしてアトラクションや飲食店で働く従業員、スポンサー企業にも及ぶ。
働く者の給与はどうなるのか、補償されるのか。各社の担当者に話を聞いた。
東京ディズニーリゾート「規定に基づいて補償」
まずは、千葉県浦安市の東京ディズニーリゾート。
東京ディズニーランドと東京ディズニーシーが10日間以上の長期で閉園となるのは、東日本大震災が発生した2011年以来だ。
広報担当者は、パークのショーやパレードなどに出演するエンターテイナーや「キャスト」と呼ばれる従業員については、「休園の間は、規定に基づいた補償を行う」と回答した。
規定などの具体的な内容は「明らかにできない」としながらも、給与についての補償も「ある」という。
一つの例だが、従業員(キャスト)がシフト制で午前9時半から午後5時半まで働いた場合、通常では休憩を除いた分の給与が時給換算で発生する。
しかし今回のようにパークが臨時休園となり、担当する業務がなくなる、もしくは出社する必要がなくなった場合でも、「全額ではないが給与は発生する」という。
つまり、給与がゼロになったり、支払いが行われないことはないのだ。
また、同リゾートでは園内のほとんどのアトラクションやショープログラムに企業がスポンサーとしてついている。
例えば、東京ディズニーランドで行われている『東京ディズニーランド・エレクトリカルパレード・ドリームライツ』は、日本ユニシスが提供している。
当然、休園中は公演自体が無くなるため、何らかの補償が生じるのではないか。
その点について聞くと、「こちらについても詳細はお答えできません」とのことだったが、「スポンサー企業様についても、真摯に、適切な対応をしてまいります」と回答した。
飲食やグッズなど、パークを運営する上で関連企業の数も多いだけに、影響はありそうだ。
ユニバ「影響避けられないのは事実だが...」
続いて、大阪市にあるユニバーサル・スタジオ・ジャパン。
東京ディズニーリゾートの休園発表の後の決定だったが、広報担当者は閉園の理由について、「政府がスポーツ、文化イベント等について、今後2週間の間、中止・延期などの対応を要請するという発表を受け我々も決断しました」と明かした。
USJの場合も、エンターテイナーや従業員については、「詳しくは申し上げられませんが、規定に基づいて補償を行う準備がありますので、それを適用していく」と回答。
こちらも、東京ディズニーリゾートの場合と同様、エンターテイナーや従業員のについては社内独自の規定で補償をするとした。
その上で、「テーマパークというのは、運営に際し、旅行会社や航空業界その他グッズの販売など、関連する企業との繋がりで成り立っている部分があります。USJの運営でも日々尽力されている企業があることは事実で、影響は避けられないところもありますが、世の中がこのような危機にある中では、ご理解を頂きながら再開に向けて出来ることをしていきたいと考えております」とコメントした。