新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)の被害が世界に広がる中、フランス・パリ郊外の日本食レストランに差別的な落書きが書かれ、営業を妨害される事態となっている。フランスの複数のメディアが2月17日に報じた。
「コロナウイルス、出て行け」日本料理店に差別的落書き
フランスの日刊新聞『Le Parisien』(ル・パリジャン)によると、差別的な落書きが書かれたのは、パリ郊外のブローニュ=ビヤンクール市にある日本食レストラン『Yuki』。店のオーナーを中国人が務めている。
店舗の窓には「コロナウイルス、出て行け、ウイルス」という文言の落書きが書かれた。現地警察は、15日夜から16日の朝方にかけて書かれたものとみているという。
ハフポスト日本版では、現在フランスに住み、同件についてTwitterに投稿した山下泰幸さん(@Yasu9412 )に話を聞いた。
話によると、フランスのTwitterでは、落書きの被害を受けた同店を支援しようと呼びかける投稿が散見されているという。
一方では、公共交通機関などで不快な経験をするのを避けるため、「僕の家族は健康ですが、外出の予定を取りやめたりしている。パリに住むアジア系の住民は、多かれ少なかれ、何らかのプレッシャーを感じている気はします」と現状を明かした。
「#JeNeSuisPasUnVirus」(私はウイルスじゃない)ハッシュタグが盛り上がる
新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)の拡大は、中国や日本などアジア圏の人々への差別や偏見も生んでいる。
Twitterでは、「#JeNeSuisPasUnVirus」(私はウイルスじゃない)というハッシュタグをつけた投稿が多くみられている。
フランスでは2月15日、保健当局がパリで新型コロナウイルスに感染した1人が死亡したと発表。アジア以外の地域で新型コロナウイルスの感染者が死亡したのは初めてなどと複数のメディアが報じていた。
ハフポスト日本版は現在、こうした差別的な行為への認識について、在日フランス大使館に取材を行なっているが、2月19日昼時点で回答は得られていない。