大手ラーメンチェーンの『一風堂』が、あす2月14日のバレンタインデーに実施するキャンペーン『赤丸ペア割』で「性別や、実際にカップルであるかなどは問わない」との方針を出し、公式サイトで発表した。
一風堂ではこれまでもホワイトデーや七夕に割引キャンペーンを打ち出してきたが、サイト上の参加条件の文言で「性別」に言及したのは初めてのことだ。
同企画は、2月14日のバレンタインデーにペアで一風堂に来店し注文時に「バレ ンタイン企画」と伝えると、『赤丸新味』か『義理ラーメン』を注文した客を対象に、同じ商品の1人分のラーメンを無料で提供するというもの。
つまり、2人で来店すれば、対象のラーメンを食べても1人分の料金で楽しめる。
一風堂は2019年3月14日のホワイトデーから類似の企画を実施してきたが、対象者の「性別」についてサイト上で言及したのは初めてだ。
ハフポスト日本版は『一風堂』を運営する株式会社力の源ホールディングスの広報担当者に意図を聞いた。
広報担当者によれば、一風堂では、2019年3月14日のホワイトデーに割引企画を実施するにあたり、社員が議論する機会を設けたという。
その際、「カップルとはどんな関係を指すのか」を熟慮した結果、「性別で分け隔てるべきでない」「そもそも私どもが定義すること自体、ふさわしくないのではないか」などの意見が挙がったという。
加えて、2019年にペア割キャンペーンを実施した際には、利用客から会社側に「カップルとはどこまでの範囲を指すのですか」「同性同士でも対象になるのですか」など多数の問い合わせがあったという。
そこで、2020年のバレンタイン割企画では、「性別」について公式サイトで初めて言及したという。
広報担当者は、「多様性が認められる時代の中では、誰かが仲間外れにならないような企画でお客様に楽しんでラーメンを味わってもらう必要がある」として、ペアで来店した客に分け隔てなく割引サービスを提供すると話す。
3月にはホワイトデーも控えるが、同様な企画を同じ方針で実施することを検討しているという。