かける手間は最低限。おいしいご飯と幸せを手に入れる自炊・5つのコツ

ちょっと手間を加えるだけで、お腹も心も満たされる。頑張ろうと思えば永遠に頑張れる料理で、「私はこれで、これがいい」のボーダーを作る。

この記事はこんな人向けです。

・料理の経験が少なく、やってみたい気持ちはあるけれど何から手を付けていいのかわからない
・仕事が忙しく家に帰っても作る時間や気力がない
・でもコンビニ飯やファストフードは飽きた
・調味料や調理器具はなるべく買いたくない
・食材は都度使い切って、余らせたくない
・おいしすぎなくていいから、安心するものが食べたい

ここ一年くらい、人に会うときに必ず聞くのは「普段何を食べているか」について。けっこう自分で作っているよ!という人もいる一方で、時間がない、気力がない、食材使いきれない、経験値がない、調理器具や皿も買いたくないなどの理由で、外で済ませたりコンビニ飯が多い人も少なくないです。

そんな人にぜひ知ってもらいたい、最低限の手数でけっこう幸せになれる自炊方法を5つにまとめました。

この記事で必要な ①調理器具、②皿、③調味料


①鍋、フライパン、大さじ、包丁、まな板
②レンチンできる汁椀、茶碗、丼、18cm程度の少し深さのある皿
③いい塩、いい味噌、それなりのオリーブオイル、めんつゆ

 

その① だしを漉さない即席みそ汁

山口祐加さんのnoteより転載

みそ汁と聞いた瞬間、だしを作るのがめんどくさいと思いませんか?昆布や煮干しは一回買うとものすごい量入っているし、使い切るのが大変。かといって顆粒だしもかなりの量ありますよね。そこでおすすめしたいのが、かつお節ごと食べる沖縄のみそ汁「かちゅー湯」です。作り方は極めて簡単。


①お椀で1杯分の水を計り、湯を沸かす
②お椀にかつお節をひとつまみ
③味噌を大さじ1(カレースプーンでも◎)
④お湯注いで混ぜる

以上です。お椀じゃなくてマグカップでもよい。

かつおだしがふわっと香り、味噌の深い味わいに癒されます。インスタントみそ汁もいいけど、やっぱりかつお節からとっただしとおいしい味噌の味にはかないません。最近は乾物コーナーに「みそ汁の具(お麩やわかめ)」や「カット干し野菜」などが売っていて、それらを入れるとよりみそ汁らしくなります。
ポイントはだし用の大きく削られたものではなく、細かく削られたかつお節を使うこと。都度使い切りたければ、小分けパックも良いでしょう。私は旅行中、小分けのかつお節と味噌を持ち歩いていつでもみそ汁が飲めるようにしています。どこでも我が家の安らぎ。

その② いい塩といい味噌があれば良い

山口祐加さんのnoteより転載

いい調味料は、料理上手の人が使うものだと思っていませんか?料理の腕に自信がない人こそ、いい調味料を使おうというのが私の提案です。というのも、いい調味料は作り手が時間と労力をかけて作っているので、それを使えば勝手に料理をおいしくしてくれるのです。「さしすせそ」全てそろえてとは言いませんので、まずはいい塩といい味噌を買ってみてください。成城石井などのいいスーパーに行けば売っています。
ちなみに発酵デザイナーの小倉ヒラクさん曰く「味噌は1kg1000円を基準に買うとおいしい味噌に出会えるよ」とのこと。1000円のランチ1回と60回分のうまいみそ汁、私だったら後者の幸せをとります。

顆粒だしだと取りたてのかつお節の香りはでませんが、味噌があれば十分おいしいみそ汁になります。

いい塩があれば、冷やしトマトに塩で十分おいしい。いい味噌があれば、まるごときゅうりにつけて食べればりっぱな一品に。野菜をただ焼いたり茹でたりしていい塩で食べるのは、シンプルだけど外では味わえない原始的なおいしさがあります。

その③ カット食材は使いまくろう 

山口祐加さんのnoteより転載
山口祐加さんのnoteより転載
山口祐加さんのnoteより転載

コンビニにも売っている、野菜炒めや鍋用のカット野菜。これらは切らないでいい上にいろんな種類の野菜が入っているのが嬉しいところ。カット野菜と豚細切れ肉があれば、それらをフライパンに入れて油で炒め、塩で味つければ豪華なおかずです。ちなみに炒め物でいつも水っぽくなってしまうという人は、いつもより箸で混ぜる回数を半分にしてみてください。触りすぎると野菜から水がでるので、それが原因かもしれません。

カット野菜と豚細切れ肉のコンビを湯で沸かし、味噌を入れればみそ汁です。豚肉や数種類の野菜があればだしもいらないし、汁物なので失敗も少ない。なにより豚汁はうまい!

カットサラダ野菜も大変便利。でもドレッシング1本使いきれない…という人はいい塩・オリーブオイル・(ポッカなどが販売している)レモン果汁を常備しておけばいつでもドレッシングが作れます

オリーブオイル:レモン果汁:塩=3:1:ぱらぱら、くらいの割合で調味してみてください。カット野菜の袋の中に直接調味料を入れて、シャカシャカポテトみたいに混ぜて袋開いて食べれば皿もいらない。このサラダはキャンプとかでも使えます。 

山口祐加さんのnoteより転載

そして忘れちゃいけないのがカットネギ。冷奴、納豆、みそ汁の具などなど買ってきたお惣菜にもちょこっと乗せるだけで一気に料理感が増します。ありがとうカットネギ。

山口祐加さんのnoteより転載

カット油揚げも便利。そのまま冷凍できるので、必要な分だけお椀に入れてレンチンして、そこに即席みそ汁作ればよいのです。

カットされたお刺身もそのまま醤油をつけて食べるのではなく、ネギや醤油をかけてちょっと和えるだけで少ない手間のわりに豪勢なおかずに見えます。そしてご飯に、お酒に合う。

その④ めんつゆはマジ便利

山口祐加さんのnoteより転載

めんつゆは最小限自炊の味方です。とりあえずそうめんとめんつゆがあれば、夏は冷たいまま食べて、冬はにゅうめん(暖かいそうめん)ができます。冷凍うどんだって、そばだっていい。「めんつゆ」は割合を調整すれば鍋つゆにもなります。そこに無調整豆乳を足せば豆乳鍋になります。ちょっと頑張って野菜一種類の煮物とかも作れちゃう。みそ汁じゃない汁物が飲みたいと思ったら、めんゆつで汁物を作るもの良いです。使い切れるか自信がない人は小さいサイズを書いましょう。

その⑤ 缶詰の本領を発揮させよう 

山口祐加さんのnoteより転載

缶詰は開ければそのまま食べられるし、平気で2年くらい持つので数個常備しておくと非常時にも安心です。ただ缶詰を開けて食べるだけに飽きた人は、いろんなアレンジもできます。私の激推しは「トマトと鯖缶のレンチン煮込み」です。

缶詰アレンジレシピは検索したらたくさん出てきます。

買ってきたものにちょっと手間を加えるだけで「やった感」が得られる上に、食べてお腹も満たされるのが自炊のいいところ。シェフが丹精込めて作った料理やおしゃれな食べ物はいくらでも外で食べられるので、家では地味でそれなりにおいしいものを食べるのが良いです。続けているとメンタルヘルスにも良い影響があると思っています。

料理は頑張ろうと思えば永遠に頑張れるので、「私はこれで、これがいい」のボーダーを作れると自然と自己肯定感上がります。

ほかほかご飯と、だしが香るみそ汁と、納豆さえあれば明日も生きていけます。和食万歳!

料理が苦手な人&初心者限定の料理教室「 #自炊レッスン」を定期開催しています。食材や調味料の買い方から始まり、少人数で実際に包丁を持って料理をし、食材の使い切り方法までお伝えする、「レシピにとらわれない料理」がテーマの三回連続講座です。レッスンは説明会という名の飲み会から始まります。現在、3月開催講座を募集中。詳細はこちらから

(2020年1月25日の山口祐加さんnote掲載記事「最低限の手数でけっこう幸せになれる自炊の方法5つ」より転載)