中国・武漢を中心に日々感染が拡大している新型コロナウイルス。中国本土での感染者や死者は増加の一途をたどっており、終息の兆しは見えない。
2月1日現在の中国の感染者はすでに1万人を超え、死者は259人となっている。日本でも、2月1日から、新型コロナウイルスに関連した感染症を「指定感染症」に定めた。当面の間、14日以内に中国・湖北省に滞在歴がある外国人などの入国を拒否する、異例の措置にも踏み切った。
そんな中、厚生労働省や首相官邸の公式サイトで新型コロナウイルスに関する情報を分かりやすく掲載している。
「飛沫感染」と「接触感染」。どこで、どうやって?
首相官邸は公式サイトで「新型コロナウイルス感染症に備えて~一人ひとりができる対策を知っておこう~」と題したページを公開。
「我が国において、現在、流行が認められている状況ではありません」と前置きしたうえで、
① 新型コロナウイルス感染症ってどんな病気?
② 一人ひとりができる新型コロナウイルス感染症対策は?
③ 『新型コロナウイルス感染症かな?』と思ったら
の3点について丁寧に説明されている。
この中で、「どうやって感染するの?」という質問に対しては、「飛沫感染」と「接触感染」の2パターンが考えられると説明。
学校や劇場、満員電車などの人が多く集まる場所では、感染者のくしゃみや咳などの飛沫と一緒にウイルスが放出され、別の人がそのウイルスを吸い込むことで感染する恐れがある。
また、「接触感染」では以下のような感染経路が考えられることを説明し、電車やバスのつり革、ドアノブ、スイッチなどに注意するよう呼びかけた。
「感染者がくしゃみや咳を手で押さえる」
→「その手で周りの物に触れて、ウイルスが付く」
→「別の人がその物に触ってウイルスが手に付着」
→「その手で口や鼻を触って粘膜から感染」
「咳エチケット」を守って
感染予防の対策としては、「過剰に心配することなく、『手洗い』や『マスクの着用』を含む『咳エチケット』などの通常の感染症対策が重要です」と呼びかけている。
「手洗い」は、外出先からの帰宅時や調理の前後、食事前などこまめに手を洗うこと。
「マスクの着用」は、咳やくしゃみの症状のある人は積極的にマスクをつけるよう呼びかける。マスクをつけるときは、鼻までしっかりおおう。
ただ、症状がない人が予防⽤にマスクを着⽤することについては、「混み合った場所、特に屋内や乗り物など換気が不十分な場所では一つの感染予防策と考えられる」と推奨する一方、「屋外などでは、相当混み合っていない限り、マスクを着⽤することによる効果はあまり認められていません」としている。
マスクの買い占めなどが問題となっているが、過剰に怯える必要はない。
くしゃみや咳が出るときは、『咳エチケット』を守るのが重要だ。咳やくしゃみを手で抑えるのはNG。手に付着したウイルスが、手すりなど色々なモノを介して広がる原因になる。
厚労省が電話相談窓口を設置
厚労省は「国民の皆様へのメッセージ」を公式サイトで公開。次のように、冷静な行動を呼びかけている。
「新型コロナウイルス感染症は、我が国において、現在、ヒトからヒトへの感染が認められましたが、現時点では広く流行が認められている状況ではありません。国民の皆様におかれては、過剰に心配することなく、季節性インフルエンザと同様に咳エチケットや手洗いなどの基本的な感染症対策に努めていただくようお願いいたします」
また、厚労省では 1月28日からは電話相談窓口を設置。「ウェブサイト等と合わせて、正確な情報発信に努めて参ります」としている。
厚生労働省の電話相談窓口
電話番号:03-3595-2285
受付時間:9時00分~21時00分(土日・祝日も実施)