1月23日にアイドルグループ「欅坂46」から電撃脱退した平手友梨奈さん。発表直後に出演したラジオ番組では「今は話したいと思わない」と多くを語らなかったが、グループの最新曲『黒い羊』が流れた後はしばらく沈黙し、声を震わせた。
デビュー直前のインタビューでは、無邪気な笑顔
“笑わない”アイドルグループとして異色の存在感を放っていた「欅坂46」は、2015年8月にオーディションを経て結成。翌2016年4月に1stシングル『サイレントマジョリティー』でデビューした。
平手さんはデビュー当初から4年弱、絶対的なセンターとして活躍。大人や社会と対峙し、抗おうとする思春期の鮮烈な感性を表現した楽曲が話題を呼んだグループの、文字通り「顔」だった。歌詞の主人公になりきったパフォーマンスは「憑依」と話題を呼び、2019年の紅白歌合戦では『不協和音』のパフォーマンス後に倒れてメンバーに抱きかかえられて退場する場面もあった。
グループ結成から間もないの平手さんは、アイドル情報サイト「HUSTLE PRESS」のインタビュー(2015年12月)に対し、本当は明るいのに学校で孤立しがちな自分を変えたかったと告白。篠山紀信さんが撮影した写真には、今の平手さんからは想像もつかないような14歳の明るく無邪気な笑顔が写されている。
「“かわいい”と“キレイ”、どっちって言われたい?」という質問には、「“かわいい”です!」と一言。オーディションを受けた理由についても「『私だって、ステージに立てばキラキラできるんだ』っていうところを見せたかったからだと思います」と振り返っていた。
鈴本さん「心と身体がだんだん追いつかなくなった」
このインタビューから4カ月後、デビュー曲『サイレントマジョリティー』でセンターを務めた平手さんは、以後すべてのシングルでセンターを務め、ミュージックビデオ(MV)では異質な存在感を放ち続けたが、弾けるような無邪気な笑顔はなかなか見られなくなった。
同時に卒業した鈴本美愉さんと織田奈那さん、活動休止を発表した佐藤詩織さんは公式サイトでメッセージを公開したが、1月24日午前10時現在、平手さんからのメッセージはない。
23日に出演したTokyo FM系のラジオ番組『SCHOOL OF LOCK!』の「GIRLS LOCKS!」というコーナーでも、自身の脱退について「その件については、今は話したいと思わないので、いつか自分が話したいと思ったときに、どこか機会があれば、お話させていただこうかなと思っております」とだけ語った。最後は「私とはまた来月、この教室で、また明るくお会いしましょう。平手友梨奈でした」と言い残し、コーナーを終えた。
平手さんと同じ愛知県出身で、デビュー当時から仲が良かった鈴本さんは、公式サイトで発表したメッセージの中で、「心と身体がだんだん追いつかなくなった」と卒業の理由を語っている。
2017年6月には、欅坂46の握手会で、平手さんのレーンに並んでいた男がナイフを所持して発煙筒に発火する事件もあった。
電撃脱退の発表を受け、ファンからは、ショックや平手さんの脱退を惜しむ声も上がっているが、同時に、平手さんの決断に理解を示したり、今後を応援したりする声も多数上がっている。
鈴本さんのメッセージは以下の通り。
こんばんは
お久しぶりです
ここ数ヶ月ご心配とご迷惑をおかけしてしまい申し訳ありません。
欅坂46が結成されて4年が経ちました
たくさんの経験をして、メンバーともたくさん大切な思い出が出来ました。
時間が経つと、色々なものが変わりますね
私は欅坂としてパフォーマンスをする事が大好きです。
欅の曲も大好きで、たくさんの影響を受けました。
でも心と身体がだんだん追いつかなくなり、パフォーマンスに熱が入りきらず、その気持ちを無視する事が出来ませんでした。
中途半端な気持ちでパフォーマンスをすることが許せなかったです。
一時的な感情かなとも思いましたが、気持ちは変わらなかったです。
自分が曲を伝える立場にいるのはもう違う。と思い、欅坂46を卒業することに決めました。
今までもずっとメンバーにもスタッフさんにもファンの皆様にも申し訳ない気持ちと、罪悪感でいっぱいで
アイドルとして足りないことが多すぎて自分の中でずっと葛藤していました。
長い間スタッフの方々に相談に乗っていただき、考える時間をたくさん頂きました。
人に想いを伝えることが苦手で、言葉足らずでいつもファンのみなさんを不安にさせてしまいました。ごめんなさい。
こんな私にいつもファンの皆さんは温かい言葉をかけて下さって、、
出会いに感謝しています
突然のお知らせになってしまいすみません。
ファンの皆さんには申し訳ない気持ちでいっぱいです。
今後については落ち着いてゆっくり考えていこうと思っています。
どこかでまたお会いできたら嬉しいな、なんて
4年間ありがとうございました
欅坂46として活動していた時間はとても幸せでした
鈴本美愉