タイム誌が「世界一快適な履き心地」と評したスニーカーのAllbirdsが日本に上陸。1月10日、原宿に日本1号店となるコンセプトストアがオープンする。
2016年創業のAllbirdsは、元サッカーニュージーランド代表のティム・ブラウン氏とバイオテクノロジーの専門家であるジョーイ・ズウィリンガー氏が立ち上げたスタートアップ。同社のスニーカーは、今ではシリコンバレーの起業家や投資家たちを含むテック業界の関係者を中心に、幅広い層に愛されている。
履き心地の良さや、丸洗い可能なことによる手入れの簡単さも人気の秘訣だが、Allbirdsのスニーカーの最大の特徴は、環境に配慮した素材を使用していることだ。同社のスニーカーはメリノウールやユーカリの繊維をアッパーに採用。サトウキビ由来の素材をソールに、インソールにはトウゴマオイル由来の素材を採用し、靴紐はリサイクルされたペットボトルから作られている。また、同社は2019年8月、同社が木の繊維とウールを組み合わせて生み出したTrino(トリノ)という新しい糸を使用した靴下をリリース。今後もアパレル関連商品のラインナップを増やしていく予定だ。
そんなAllbirdsでPresident of Internationalを務めるエリック・ハスケル氏は同社を「マテリアル・イノベーション(素材革命)カンパニー」と形容する。
「マテリアル・イノベーション・カンパニーとして、我々は環境に優しいサステナブルな天然素材を使用することが重要だと考えている。そして我々は、開発した素材に関する知的財産を独占するつもりはない」(ハスケル氏)
ハスケル氏いわく、スニーカーの部位で最も環境に害を与えているのは、石油由来の素材で作られたソール。そのため、Allbirdsでは、同社が開発したトウゴマオイル由来の素材を使用したソールに関する情報をオープンソース化し、他企業と共有。開発に3年ほど掛かり、R&Dに多額を投資したのにも関わらずだ。今では100ブランドほどがAllbirdsの技術を利用し開発に活かしている。
また、模造品を販売したアマゾンにについて、ハスケル氏は「(アマゾンは)我々のスニーカーのデザインではなく、環境に対する取り組みを真似するべきだ」と話した。
Fast Companyによると、AllbirdsはシリーズDラウンドでクローズまでに最大7500万ドル(約82億円)ほどを調達、累計調達額は約1億5000万ドル(約164億円)となる予定だ。
Allbirdsにとって原宿店は15店舗目。同社は2020年中に20店舗をオープンさせる見通しだ。また、2020年には新プロダクトの発売も予定されている。新プロダクトを開発する上で、同社にとって「ユーザーの声」は欠かせない。昨年はイギリスのユーザーが求めた「防水仕様」のスニーカーをリリースしたが、今後は中国や日本のユーザーの声についても、同社製品の「原案」になっていくだろう。
(2020年1月10日TechCrunch Japan「世界一快適なスニーカーAllbirdsが日本上陸、革新的な素材のオープンソース化で目指す“サステナブルな社会”」より転載)
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