カナダ軍は、「ポケモンGO」が爆発的な人気となった2016年当時、ポケモン目当てに基地の敷地内に侵入するプレイヤーに手を焼いていた。
そこで、侵入者を“迎え撃つ”ため、憲兵にポケモンGOをプレーさせる特別ミッションを課していたことが明らかになった。
カナダの公共放送CBCテレビが471ページに渡るカナダ軍の資料を入手し、カナダ軍の“奮闘劇”を伝えている。
ポケモン求めて、基地侵入者が続出
ポケモンGOは、GPS機能やAR技術を駆使して、現実世界を舞台に、街中にいるポケモンをスマートフォンをかざして捕まえるゲーム。
2016年7月に配信されると、連日連夜に渡り、ポケモンを求めてカナダ軍の基地の敷地内に侵入するプレイヤーが相次いだという。
CBCは資料に示された具体例を紹介している。
トロントから北350キロにある空軍基地では、車に乗った2人組の男性が真夜中ごろに敷地内に侵入。職員が確認したところ、2人はピカチュウを求めてポケモンGOをしている最中だったという。
別の基地でも、ポケモンGOに夢中になっていた女性の3人の子供が戦車によじ登っていたほか、夫とみられる別の男性は、職員に呼び止められると「子供たちをゲームで打ち負かさないと」と言い放ったという。
こうした事態に、カナダ軍は当時「ポケモンプレイヤーのみなさん、安全なプレーを心がけて、軍施設に侵入するのをやめるようお願いします」とTwitterなどで警告していた。
カナダ軍は、こうした侵入者対策の一環として、憲兵にミッション「ポケモンGO」を課したという。
CBCによると、少なくとも3つの基地の憲兵3人が、ポケモンGOをプレーしながら基地内を歩き回り、ポケモンスポットなどを探し当てることを命じられらた。
今回の件を報じたCBCのブレット ラスキン記者は、3年前にカナダ軍に資料請求していたとTwitterで明かし、「待った甲斐があった」とつづっている。
ポケモンGOプレイヤーのマナーは2016年当時、日本でも問題視されていた。
参拝客の迷惑になるとして靖国神社がポケモンGOを禁止したほか、東京電力の福島第一、福島第二、柏崎刈羽(新潟県)の3つの原子力発電所のいずれかでポケモンが表示され、東電側が出現しない設定にするようゲーム会社に申し入れる事態も起きていた。