肉好きからヴィーガンまで 環境想いの食生活に変える5つのアドバイス

気候変動などの異常気象に伴い、環境に優しいサステナブル(持続可能)な生き方を見直す動きが高まる今、「食」を考え直す必要もありそう。
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ヴィーガンは環境に良い?それとも悪いの? 

国連の調査によると、食生活を植物性に変えることは、気候変動に対して大きな変化を起こせるという。一方で、肉食をやめることは、生態系のバランスを壊し兼ねないという意見もある。

また、ある研究では、ヴィーガンの食生活は脳の健康に悪影響を及ぼす可能性があるという結果が出ている。では一体、私たち自身と地球の両方に1番良い選択とは何なのだろうか?

ヴィーガンの人気は急上昇しているが、肉類を食べる人、ベジタリアン(菜食主義)、ペスカトリアン(魚介は食べるが肉類は食べない)、食生活を柔軟に変えるフレキシタリアン(植物性中心だが肉類なども排除しない)など、食に関する主義は様々。どんな主義だとしても、私たちにできることはある。 

そこで今回、サステナブルな食生活を送るためのコツを専門家に聞いた。以下、その回答を紹介していこう。

「お肉が大好き」でも出来ることがある

誰しもが肉食を完全に断った食生活を選ぶわけではない。実際、家畜を一定数の農場で飼うことには利点もあると、非営利 Ethical Consumerの研究者、アンナ・クレイトン氏はハフポストUK版に語ってくれた。クレイトン氏自身はヴィーガンの食生活を送っているが、小規模の農場では家畜は雑草を食べて、その排泄物により地を肥沃にしてくれるなどの利点があると言う。

しかし、広く言われているように、肉類や乳製品には野菜や豆類よりも多くのエネルギーを要するというのも事実だ。家畜を育てるためには多くの餌や、暖かい状態に保つ必要がある。また、家畜は有害な排気ガスを体から出している。つまり、食用の肉を得る上で、私たちは多くの資源を使っているのだ。

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科学者は、現在のペースで肉の消費を続ければ、52億トンの二酸化炭素に加え、メタンガスや亜酸化窒素も多く排出し、地球環境に多きな悪影響を及ぼすことになると警鐘を鳴らしている。

「お肉は食べ続けたいけど、持続可能性な食生活のために何かしたい」という人にも、肉類を諦めずに出来ることが沢山ある。

料理教室『Leiths School of Food & Wine』のマーケティング責任者、ジェニファー・コールズは「肉の食べ方を見つめ直す(開拓する)」ことについてハフポストUK版に語ってくれた。肉を食事のメインにするのではなく、野菜や豆類などを多く含み、肉を「具材として」使ったレシピを取り入れることが大切なようだ。更に彼女は、定番の部位(胸やモモなど)ばかりではなく、無駄が出ないように、あまり食べられていない部位も使うことを提唱している。

「鶏の胸肉を毎日買ったりする必要は無いんです」と彼女は語る。「スロークッカーを使うのもお勧めです。(調理法に悩んでしまうような部位でも)仕事に行く前に入れておけば、料理にエネルギーを割きすぎることもなく簡単に調理できますよ」とのことだ。

フレキシタリアン

フレキシタリアンとは、ベジタリアンの食生活と、肉や魚を食べる食生活の両方を入れ替えるスタイルの食習慣だ。主義というよりただの「流行り」と思うかもしれないが、食べる肉の量を減らしたいが、「ステーキと一切の関係を断つなんて無理」という人にはうってつけの始め方だ。

ブログ『The Flexitarian』を書いているアナベル・ランドレス氏によれば、「1週間に1回だけ肉類を一切含まない食事をとるように心がけている人もいれば、特別な場合にだけ肉を食べる人まで、様々です」とのことだ。大切なのは「どうしても食べたい」と思っても、食べる量を抑えることだと言う。

1日の食事で1度だけ、肉を取り入れるのも手だそうだ。コールズ氏は「肉を一切食べない曜日を決めたり、1日の内に肉類を何度食べたか数えてみてください」と語る。彼女の場合、昼食に食べたら、夕食では食べないそうだ。

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魚も実は危機に直面している

 「良い人はまだ沢山いる」という意味で「海にはいくらでも魚がいる」という諺(ことわざ)があるが、MSC(海洋保護協会)によれば、必ずしもそうではないようだ。私たちが食している魚の90%が、気候変動と乱獲の二重苦により絶滅の危機にあるそうだ。

魚は栄養価の高いタンパク源で、環境へ及ぼす影響も漁の方が家畜を育てるよりもずっと少ないが、人気の魚の中には絶滅の危機に晒されているものもある。MSCが提供している無料サービス『Good Fish Guide』では、どのような種を選べば良いのかなど最新の情報が確認できる。

ヴィーガン:素敵な選択、でも地元の食材を選んで

「二酸化炭素の排出量の観点から言えば、肉を食べる生活よりもヴィーガンの方が優っていることは明白です」とクレイトン氏は語る。

「肉類と乳製品の消費量は、絶対に減らす必要があると私は考えます。日常的に肉製品を食べて、そこからエネルギーを貰っているにも関わらず、(多くの人が)その事実に感謝していないということを覚えておかなくてはいけません」

しかし、ヴィーガンの食生活でも考慮すべきことがある。ココナッツミルクや外国産の豆類など、代替品として食しているものが、海外で悪い波及効果を受けていないか、ということ。クレイトン氏は、できるだけ国内生産されているものを選ぶことを勧める。

個人の食生活がどんなものであれ、食生活によって及ぼされる悪影響を最小限に留めるために、地元の食材の購入を視野に入れて欲しい。そうすることで、航空移動やプラスチック包装の量を減らすことにも繋がる。

「一概に『正解』と呼べるものは何もないのですが、環境に優しいサステイナブルな食生活には、地産地消が重要だと思います。あと、オーガニック生産されたものやフェアトレード商品を少し取り入れてみるのも良いかもしれませんね」とクレイトン氏は続けた。

食品ロスをなくそう

どんな食生活であれ、みんなができることは、食料を無駄にしないことだ。食料となるものを育て、それを調理したり、パッキングするのには多くのエネルギーと資源が必要だ。しかし、それにも関わらず私たちの多くは、冷蔵庫の奥に食べ物を眠らせたまま忘れてしまったり、間違った気温で保存した挙句に腐らせてしまったり、少し残った肉や野菜を、まだ食べられるにも関わらず捨ててしまっている。

世界では毎年、生産量のおよそ3分の1に当たる13億トンもの食品が捨てられている。日本は年間2759万トンの食品を廃棄処分しており、うち643万トンが「食べられる状態」で処分されている、つまり「食品ロス」になっている。

残り物を上手に使い美味しくアレンジされた「サルベージ料理」のレシピなども、ネットで多く等でシェアされている。これらを生活に取り入れれば、環境に優しいサステイナブルな食生活にまた一歩近づけそうだ。

ハフポストUK版の記事を翻訳、編集、加筆しました。