2019年の流行語に選ばれた#KuTooは、職場でヒールやパンプスの着用を強制することやパンプス着用が「マナーや常識」だとみなされる風潮に異を唱えるムーブメントだ。
Twitterで声を挙げた石川優実さんは、12月2日に「現代用語の基礎知識選 2019ユーキャン新語・流行語大賞」発表会にフラットなレースアップシューズで登壇。
「この運動はヒールの否定運動じゃありません。ヒールが好きな方はぜひ引き続き履いて下さい」と呼びかけ、「優遇してほしいわけではありません。同じ労働環境、同じ労働条件で仕事にチャレンジする機会を下さいという運動です」と強調した。
最後は「こんな運動しなくていいような社会になることを願っています」と訴えるとともに、「この運動に対してバッシングも含めて少しでもアクションしてくださった全ての方々に、心から感謝いたします」と述べた。
SNSでは、石川さんのスピーチに対して賞賛の声が上がっている。
石川さんのスピーチ全文は以下の通り。
#KuTooの署名発信者、石川優実と申します。本日はこのような賞をいただき、とても嬉しく思います。インターネットから始まった言葉なので、少しこの運動についてお話をさせてください。
まずこの#KuTooという言葉は私が作った言葉ではありません。運動が進んでいく中で、センスのある賛同者の中の1人の方が作ってくださった言葉です。昨年ノミネートした#MeTooの受賞者が、声を上げた全ての人々だったように、この#KuTooの受賞者も私個人ではなく、アクションを起こした全ての方々が受賞者だと思っています。
一つよく勘違いされるんですけれども、この運動はヒールの否定運動ではありません。職場で女性のみにヒールやパンプスを義務付けたり、マナーだとする風潮に対して異を唱える運動です。ヒールが好きな方はぜひ引き続き履いて下さい。
そしてもう1つ、この運動は、女性も男性と同じ靴を履いて仕事をすることを許してもらうための運動ではありません。女性も同じ職場ならば、男性と同じ靴を履いて仕事をする権利があるということを、お知らせする運動です。同じ労働者ならば、当然の権利のはずです。今までそれに気がつくことができなかっただけだと思います。
優遇してほしいわけではありません。同じ労働環境、同じ労働条件で仕事にチャレンジする機会を下さいという運動です。女性はすぐに仕事を辞めるとか、女性は能力がないとか、体力がないとか、それらはまずヒールのあるパンプスのように女性のみに負担があるものを無くし、すべてフラットにした状態で判断して下さい。話はそれからだと思います。
ヒールのある靴を履いて足を痛め、仕事を諦めざるを得なかった人たちがいます。就職活動が出来なかった人もいます。はじめからその仕事を選ぶことを諦めた人たちもいます。靴をはくことをやめた後も、足の痛みと戦っている人もいます。そしてそれらの人々は、みな女性だということをなかったことにしないで下さい。
こんな運動しなくていいような社会になることを願っています。
そして最後に、この運動に対してバッシングも含めて少しでもアクションしてくださった全ての方々に心から感謝いたします。
心からありがとうございました。