ハフポスト・コリアのキム・ヒョヌ記者が2018年12月から連載を始めた「新婚日記」を掲載します。つれづれなるままに書きますが、それなりに面白おかしく読んでいただければ幸いです。
1.近況
数カ月前に、私は「人妻」になった。そして今、むくむくと肉がついていっている。
結婚前は、式場でも新婚旅行でもすらりとした肉感的な体つきだった私だったけれども、わずか数カ月で肉つきのあるグラマー(?)な体型になってしまった。わずか数ヶ月で、体重が数倍ずつ増える胎児のように…。私は自分が太ったため、妊娠したのではないかと思ってしまったくらいだった。
しかし、これは私だけに起こったことではなかった。 もともとお腹の肉だけが厚く、あごのラインはすらりとしていてシャープで、私の理想のタイプであるサッカー選手と同じような新郎は、結婚の準備過程で急進的に太り始め、今は非常に豊かな頬とあごの肉を持つようになった。 どう見ても課長っぽい。
つまり私たち二人は、太った。ただひたすら太っただけ。
悲劇の原因は、事実当たり前に私たちが毎日お酒を飲んで遊んだことにあるが、言い訳をするのであれば、私たちが毎日お酒を飲んで遊ばないわけにはいかなかった。私たちはものすごく人気者だから…
2.人気者の条件
本当に人気者であるならば、一応「人気者アイテム」を持っていなければならない。私たちはまさに、各種家電を買い換えたり新しく買ったり贈り物をもらった新婚夫婦であり、人気者になれる十分な条件を備えた状態。
結婚当時、フィリップスの最新型、巨大エアフライヤーと日本から空輸してきた生ビールの機械をお祝いにもらった。 フェイスブックを開けば「エアフライヤーもない、そこのお前、だからアウトサイダーなんだ! 本物の人気者はエアフライヤーを使っている! 」まあ、こんな広告が相次いで出るだけに、エアフライヤーが重要なアイテムなのは言うまでもない。
そして、生ビールサーバーこそ人気者アイテムの中でも最たるものだと言える。最高レベルの生ビールは韓国で売っておらず、日本でも決して安い価格ではないのだが、この機会に缶ビールを入れると本当に口あたりが滑らかなビールに変わり、私たちのビールコップの中にスムーズに流れ込んでくる。
珍しくて面白いお酒を飲む機械なので、人気者アイテム中の最たる人気者アイテムと言える。最後に新郎が謝恩品として受けとったサムソンのBluetoothスピーカーと、新婚旅行のタイで買った「狂気のレーザー照明」まで。食べ物と酒、音楽と照明まで、私たちは完璧な人気者の証である持ち物を持っている。
人気者の次の条件は、最大級の数の友人をよく招待し、パーティーを開いて楽しく遊ぶことだ。 そもそも本当に真の人気者夫婦なら、1930年代のパリ芸術家会のように、毎日パーティーを開き、様々な人たちを招待して、社交界の大物にならなければならないが、そうするには2018年の平日のソウルの夜はあまりにも「疲れていた」。 平日だと、誰もパーティーをしに私の家に遊びに来ようとしなかった。 それで平日は、私たち二人だけでパーティーを開いた。
エアフライヤーは、科学の産物であると同時に、信仰心を刺激した。 まさに「信じなさい」と叫ぶしかないイエス様の奇跡が、エアフライヤーの姿として私たちの目の前に現れたのだ。 エアフライヤーは、冷凍ポテトフライ、冷凍手羽先、冷凍チーズスティック、冷凍チキンナゲット、冷凍ギョーザなどに、立て続けに新しい生命を与えた。 それにしょっぱい明太子マヨを付けて食べると、それはもう、とてもとても…言葉では説明できない。 ちょうど、韓国語にすれば、Xな味(日本語だとハンパなくうまい)。 それでもこの文を読み、何か一つぐらい得ることなければならないから、(TMI=Too Much Informationだが)最近の米国10代の青少年たちはこんな味を’So iconic’と表現する。 英語が上手であるだけでなく、新世代に一言で人気者だと見せつける時に使えば良い。
冷やして冷蔵庫に入れておいた500mlの缶を一つ入れてジイーッンと300mlのカップに注いで、また、もう一つの300mlのコップに注いで二人で乾杯してごくごく飲むと、雨降る日も寒い日にも、麻浦(マポ)にある私たち新婚の家で飲む生ビールがとても美味しい。エアフライヤーのつまみと明太子マヨ、そして冷たい生ビールの組み合わせは、メビウスの帯と同じで終わりがなかった。
私たちのパーティーは結局、飲み干したビール缶を潰すと同時に、正確なテンポのダンスミュージックに合わせて、新婚旅行で買ってきた「狂った照明レーザー」を振りながらクライマックスに突き進む。 そして翌日、「あ、昨日ちょっとだけ飲めばよかった」と言って起きる平日の繰り返し。
3.麻浦区(マポグ) *ジョインMT
(=Mebmership trainingを略し、合宿行事を意味します)
週末になるとちょっと話が変わる。ソウルに住むみんなにとって、遊びに行きたくなる時間が流れる。 私は人気者、旦那も人気者。 そして、家には人気者アイテムまで完備。 そこに私たちは私たちが人気者であることを知らせたくてやきもきしている。 では、あえて外で高いお金を払ってお酒を飲まなければならないのか。 あえて?
*ジョインMT〜英語で書くとJoin Menbership Training.大学生がサークルなどで行く合宿のような旅行をいう。学生に限らず、社会人も仲間と一緒に行く親睦旅行もMTと呼ぶ。
ビールサーバーをプレゼントされたその週から昨日まで、うちの夫婦は毎週パーティーを開催し、*麻浦区(マポグ)の社交界の大物として生まれ変わっている。 私の友達と新郎の友達が一緒に遊びに来て、まるでジョインMTのようだ。家具もそんなになくて、コンドミニアムみたい。
*麻浦区(マポグ)〜ソウル特別市にある区。大学が集っている学生街があり、飲食店繁華街もある地区。高層住宅が多く建っている。
絶えず出てくる冷凍食品のおつまみと冷たい生ビールを飲むと、最初はぎこちなかった人たちも、皆一緒に大笑いして親しくなり、音楽をかけて、タイで買ってきた狂った照明レーザーを放てば、いや、ここは麻浦だけれども、加平(カピョン)のMTペンションみたい? そうして入り乱れて寝て気が付いたらみんなそっと起きて、自分でラーメンを作って食べて家に帰る... そんなパターンだ。
もちろん、翌日は頭が痛いだけではなく、胸が痛むことに対して、誰も責任を負わない。 もともと仲間同士と遊ぶのがそうなのだ。
とにかくうちの夫婦は毎週金、土曜日をこんなに崩壊してるのにすごく楽しい… 人生楽しい….. 結婚はめっちゃ面白い…
それでもお互いの太った姿でも、楽でいるのが幸いというなら幸いだ。 「私はお前と毎日このようにパーティーをして遊ぶのがとても楽しくていい」パーティーを終えた後、私たちはそのように優しい挨拶を交わし、別々に寝る。
私は、敏感すぎて、私のそばで誰かが音を立てて寝ることに耐えられない。 旦那はとても疲れたらいびきをかく。 数年間の恋愛の間、続いた数百回の葛藤の末、結局私たちは非常に疲れた日には別々に寝ることにした。当然、パーティーをするととても疲れてしまう。 そのパーティーを、私たちは毎日するじゃない? それで私たちは毎日それぞれ部屋を使うようになった。 でも幸せだ。 あまりに恋愛を長くしたからだろうか。 あまりにも仲のいい者同士が結婚したので、新婚の甘さよりパーティーの楽しさがもっと大きいのかな。 いや、ここに新婚なのにパーティーに狂って各部屋を使う夫婦がいるというのに?
驚いた制作陣はあわてて麻浦に向かった!!!!!!
制作チーム:その夫婦が本当に毎日パーティーをするんですか。
住民1:まあ、口にもできません。
住民2:本当にすごいですからね。
住民たちの証言を聞いた制作陣、今日の主人公を探してみたが…!(玄関を開けるシーン)
もしヨンナム洞のパーティーマニア夫婦をご存知ですか?
「ああ、それがまさに私です!」
今日の主人公、キム・ヒョニュさん!(27、美人エディター)
「ところで、お顔が少しむくんでいらっしゃいますか?」
「いいえ、今日パーティをするんですが、一緒に参加しますか?ビール20本だけ買ってきてください。 オランダのはハイネケン、韓国のは1000ウォン4缶わかりますよね?
(省略)
延南洞のパーティーマニア夫婦お二人、パーティーもいいですがダイエットにも気を使ってください
(さようならと、手を振りながらちょっとキラキラ光るフレームで仕上げ)
終
制作・著作
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ハフポ
ハフポスト韓国版を翻訳・編集しています。