11月12日、イタリアのベネチアにあるヴェネト州議会の会議室が、観測史上初の高潮の被害にあった。どうやら気候変動対策を考慮した条例修正案を否決した直後の出来事だったようだ。
象徴的なイタリアの運河の街ベネチアでは、街の未来への、気候変動や海面上昇による影響に関する議論を進めていた。
ヴェネト州議会の環境委員会の副委員長を務めるアンドレア・ザノニ氏は、Facebook上で、洪水の詳細について述べた。
「会議室が高潮により浸水したのは、イタリアの有権政党である「イタリアの同胞」とフォルツァ・イタリアが、私たちの気候変動を考慮した条例改正案を否決した2分後でした」とザノニ氏は投稿し、2つの右派政党と中道右派のフォルツァ・イタリア党を言及した。
更にザノニ氏はヴェネト州のルカ・ザイア知事を非難した。ザイア知事は「気候変動に具体的な取り組みはしない」という旨の2020年予算案を提示した極右派政党連盟にも参加している。
ザノニ氏は高潮の変化にも懸念の声を挙げている。海面は、最高時には平均よりも1.8メートル以上も上昇しており、少なくとも1人が亡くなっている。これには氷河の融解も起因している。否決された改正案の内容には新たな再生エネルギー源のための資金希望やディーゼル・バスの代替、プラスチックゴミによる被害の軽減案などが含まれていたという。
「ヴェネト州の投票者たちが目を覚まさなければ、ザイア知事の連盟により私たちは水中に沈んでしまう」と彼は続けた。
州議会の報道官であるアレサンドロ・オヴィザック氏はアメリカのCNNに、会議室は2020年の予算案への修正への議論をした後、洪水の被害にあったと認めたが、詳細は明かさなかった。
評議会長で政党連盟にも参加している、ロバート・チャンベッティ氏は、ザノニ氏の主張は政治的宣伝に過ぎないとCNNに語った。
「政治的宣伝や見掛け倒しの演出などせずに、私たちは過去3年間で地域予算の9億6500万ユーロ(約1100億円)を、気候変動の原因である大気汚染やスモッグ対策に注ぎ込んできました」
ベネチア市長のLuigi Brugnaro氏はTwitter上で、高潮についてお手上げだと発言し、「この世の終わりのような大惨事」だと述べた。
この地域で、ここ50年以上で最高の水位となり、これは「消えない傷跡となる」と綴った。
「政府にはしっかりと聞いてほしい」と彼は続けた。「これらは気候変動による影響です。代償は大きいです」
ハフポストUS版を翻訳、編集しました。