100万人の国民の渦が、街中を埋め尽くす。南米のチリでいま、繰り広げられている光景だ。
首都のサンティアゴで10月25日、セバスチャン・ピニェラ大統領の辞任や経済改革を求めた、チリ史上最大規模の抗議デモが繰り広げられた。
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ロイター通信によると、この日のデモは、ここ1週間と打って変わり、平和的に展開された。参加したおよそ100万もの人たちが、国旗を振りかざしたり、踊ったり、木製のスプーンで鍋を叩いたりした。政治や社会の変化を要求するプラカードを掲げ、数キロに渡って通りを練り歩いた。
人口約1873万のチリで、100万人という数字は国民全体の5%以上に当たる。日本に置き換えてみると、630万人以上が参加した計算になる。
サンティアゴのカルラ・ルビラル市長は、Twitterで「チリにとって歴史的な日。首都州は、新たなチリを夢を表現する100万もの人たちの平和な行進の主役だ」と歓迎している。
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ピニェラ大統領も「国民が平等と支援を求めた、大規模で活気にあふれた平和的なきょうのデモ行進は、希望ある将来への道を開いた。メッセージを聞いた」と前向きに受け入れた。
ロイター通信によると、チリでの抗議デモは、公共交通機関の料金値上げを発端に始まった。生活の困窮や経済的不平等の訴えから、暴動に発展。17人が死亡、数百人がけが、7000人以上が逮捕される事態となり、14億ドル相当の経済損失を招いた。
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BBCによると、国家非常事態宣言の下、軍隊や2万以上の警察による厳戒警備体制が敷かれ、夜11時以降の外出が禁じられている。