バスケットボール・八村塁選手が10月23日(日本時間24日)、NBAデビューを果たした。米国テキサス州ダラスでのマーベリックスとの開幕戦に先発出場した。
田臥勇太、渡邊雄太に続く、バスケ世界最高峰の舞台に立った3人目の日本出身選手となった。ドラフト1巡目指名を受けた初の日本出身選手でもある。
NBAとはどんなところなのか。何がすごいのか。これだけは抑えておきたい、5つのポイントを紹介する。
①とにかく高い
まず、バスケ選手といえば思い浮かぶのは高身長と恵まれた体格。Basketball Referenceによると、リーグ平均身長は201センチ、体重は98キロ。体格に恵まれるスポーツ選手の中でもひときわ大きい。
八村選手は203センチ、104キロ。身長、体重ともに平均を上回る体格を誇っている。
歴代一の高身長は、ルーマニアのゲオルゲ・ムレシャン選手、南スーダンのマヌート・ボル選手の2人で、驚きの231センチだ。
ちなみに、これまでNBAの身長表記は、シューズを履いた状態で測っていたが、今シーズンから、シューズを脱いで計測となる。ほとんどの選手が、昨シーズンに比べてシューズ分の数センチ“縮んだ”ことになっている。
②破格の年棒
そして、やっぱり気になるお金の話。
Basketball Referenceによると、NBAの平均年棒は、約8億3900万円(約772万3629ドル)と破格だ。
八村選手は約4億8500万円(446万9160ドル)。ドラフト指名順に応じて、ルーキーイヤーの数年間の年棒は規約で決まっているが、今後の活躍次第ではこの何倍にも跳ね上がる可能性もあり、まさにアメリカン・ドリームだ。
日本のBリーグでは、千葉ジェッツの富樫勇樹が今シーズン、日本出身選手として初めて年棒1億円を超えたばかりで、NBAのスケールの大きさが分かる。
現役のトップは、ゴールデンステート・ウォリアーズのステフィン・カリー選手で、驚愕の約43億7000万円(4023万1758ドル)。
③国際色が豊か
世界中から人材が集まるNBAは、外国出身選手の存在感が年々増している。昨シーズンは、最優秀選手(MVP)にギリシャのヤニス・アデトクンボ、新人王にスロベニアのルカ・ドンチッチがそれぞれ選ばれた。
今シーズンは、各チーム15人全体450人の開幕ロスターに、38の国と地域を代表する108人のアメリカ国外出身選手が登録している。
NBA副コミッショナーのマーク・テイタム氏は、 外国出身選手の存在について、ハフポスト日本版など数社の合同取材の場で「NBAの素晴らしい点の一つは、選手の25%がアメリカ国外出身であるということです。本当の意味でのグローバルで、日本やフランス、アルゼンチンの最高の選手たちがみんなNBAでプレイしています。そのことが、リーグをよりグローバルなものにしていますし、競争という意味でも高まっていると思います」と語っていた。
④歴代の日本人NBA選手
八村選手は、日本出身で3人目のNBAプレーヤー。ドラフト1順目指名は史上初の快挙だ。
初のNBAプレーヤーは、田臥勇太。2005年にフェニックス・サンズと契約し、わずか4試合の出場で解雇されたが、日本バスケの歴史を切り開いた。
2人目は渡邊雄太。NBAのメンフィス・グリズリーズと下部組織のチームを行き来する「2way契約」の現役選手で、昨シーズンはNBAで15試合に出場し、平均11.6分の出場で平均2.6得点という数字を残した。
その他にも、「NBA契約プレイヤー」として、馬場雄大、富樫勇樹も含まれる。少々ややこしいが、解雇前提でNBAのチームと契約を結び、下部チームでプレーするという契約内容だ。渡邊選手の「2way」契約がNBAと下部チームを行き来するのに対して、2人の契約ではNBAのコートに立つことはない。
さらに、1981年に日本人で初めてNBAからドラフト指名を受けた岡山恭崇さんも忘れてはならない。
NBAでプレー経験があり、日本に帰化した選手では、現日本代表のニック・ファジーカスや、桜木ジェイアールもいる。
⑤実は日本でもやってた
実は、NBAは日本にも来ていた。10月8、10日にさいたまスーパーアリーナで開かれた「NBA JAPAN GAMES」だ。といっても、リーグ開幕前のプレシーズンマッチで、アメリカ国外で開かれることも多い。
日本開催は16年ぶりで、昨シーズンの優勝チーム、トロント・ラプターズと、ヒューストン・ロケッツが来日し、日本のファンを沸かせた。
試合は初戦はラプターズ、2戦目はロケッツが勝利した。
ロケッツのエースで、昨シーズンのMVP候補のジェームズ・ハーデン選手は、初戦後の記者会見で「最高の状態を出そうとした。いいゲームを作り上げていきたい。毎試合に集中して、どんどん上手くなっている」と手応えを語った。
同じチームのラッセル・ウェストブルック選手も、日本の子供たちへのメッセージを求められ「世界中の若者がNBAに出ることだけでなく、自分を高めようと努力することが大切。日本のみなさんにありがとうと伝えたい」と話した。
最後に... 基本情報も
NBAは東と西のカンファレンスに分かれており、それぞれ15チームずつ計30チームが所属する。 1チームの登録人数は15人(リーグ全体で計450人)で、そのうちベンチ入りできるのは12人(360人)と狭き門だ。
同時にコートに立てる人数は5人。開幕スターティングメンバーに決まっている八村選手は、活躍が期待される注目のルーキーだ。
NBAの日程は、レギュラーシーズンが10月22日(現地時間)〜2020年4月15日まで。ホームとアウェーの計82試合を戦う。 各カンファレンスの上位8チームがプレイオフに進み、トーナメント方式で、対戦相手より先に4勝したチームが勝ち上がり、NO.1を決める。