イギリスのBBCが選ぶ世界の人々に影響を与えた「100人の女性」に、日本から#KuToo呼びかけ人の石川優実さんと女子相撲で活躍する立命館大学の今日和さんが選ばれた。
BBCは2013年から毎年、世界の人々に影響や感動を与えた女性100人を発表している。過去には、日本からは小林麻央さん(2016年)や伊達公子さん(2017年)が選ばれている。
「日常の中にある差別に気づいて」石川優実さん
石川優実さんは、職場や就職活動で女性がハイヒールやパンプスの着用を強要されたり、着用が「マナーや常識」だと見なされる風潮に異議を唱え、「#MeToo」と「靴」、「苦痛」をかけ合わせたハッシュタグ「#KuToo」を生み出した。
BBCは、「1日8時間、仕事でヒール靴に苦しむことにうんざりした彼女は、Twitterでフラストレーションを解消しようと決心した」として、「#KuToo」ムーブメントが盛り上がった経緯を紹介。石川さんが約2万人分の署名を集めて政府に問題を訴えたことを評価した。
石川さんは「私たちは、まだ多くの人々が日本に性差別があることに気づいてさえいない状況にあり、#KuTooキャンペーンも差別の問題と見なしていません。私たちの日常生活の中にある男女間の差別に気づき、男性と女性が平等であることを実感してください」とコメントしている。
「相撲をオリンピック競技に」今日和さん
立命館大学の今日和さんは、女性は土俵に上がることができない「女人禁制」の伝統がある日本で、女性力士として活躍する。2018年にBBCで制作されたドキュメンタリー「相撲人(Little Miss Sumo)」で取り上げられた。
今さんは、国際関係学部で開発経済を学ぶ。将来はアフリカで相撲を教えるなど、相撲で国際協力に携わりたいという。「世界中の子どもたちに相撲に親しんでもらう機会を作り、相撲をオリンピック競技にしたい」とコメントしている。
「はっきりと語るべき時なのです」グレタ・トゥーンベリさん
このほか、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさんや、女子サッカーワールドカップで優勝したアメリカ代表の共同キャプテン、ミーガン・ラピノー選手が選ばれた。
トゥーンベリさんは、温暖化対策に腰が重い各国のリーダーを前に「よくもそんなことを」と怒りを込めた国連のスピーチで世界中から注目を集めた。
「言い方がよくない」などの批判が向けられていることを意識したのか、BBCに対して「私たちは、大勢の人々が声なき苦痛に苦しむ災厄に直面しているのです。今は、丁寧に話したり、私たちが何を言えたか、言えなかったかに注目する時ではありません。今こそ、はっきりと語るべき時なのです」とコメントを寄せた。
「もしも誰もが怒ってくれたら…」ミーガン・ラピノー選手
ラピノー選手は男子サッカーと女子サッカーの間にある大きな賃金格差について問題提起したり、人種差別やLGBTQの権利について発言したりしている。
ラピノー選手は「もしも誰もが人種差別に苦しんでいる人たちと同じぐらい差別に対して激怒してくれたら、もしも誰もがLGBTQの選手と同じぐらい同性愛嫌悪に対して激怒してくれたら、もしも誰もが男女の賃金格差に対して激怒してくれたら。私の将来にとっても何よりも大きな希望となります」とコメントした。