ラグビーワールドカップ日本代表は10月13日、史上初の決勝トーナメント進出を決めた。試合後にヘッドコーチのジェイミー・ジョセフ氏とリーチ・マイケル主将が記者会見を行った。
(ジェイミー・ジョセフ氏の冒頭発言)
一つ、大切なことをお話しなくてはいけません。昨晩、台風で色々なことが起こりました。今朝はいろいろ調整を行いました。台風で大勢の方が亡くなり、まだ行方不明の方もいます。この悲しい出来事について、チームとして話し合いの場も持ちました。人々を圧倒してしまいかねない悲しい出来事でしたが、今日の試合は厳しい試合で、この勝利を祝福したい。でも、まだ台風の被害で苦しんでいる方もいます。
スコットランドは信じられないほど素晴らしかったです。最初から厳しく攻めてきましたし、フィジカルも強かった。我々を凌駕した時間もあった。でも耐えることができたのが、大切だったと思います。そして最後まで、(スコットランドの攻撃に)きちんと対応できた。ホームでワールドカップを戦えるのも幸せなことでした。たくさんのサポートをいただき、選手のモチベーションにもなった。
ーーゲームプランは?
(ジョセフ氏)
とにかくボールをキープすること、スピードを失わないことに注力しました。スコットランドも激しく対抗してきましたが、私たちは自信を持って、自分たちを信じてチャンスをものにすることができた。それが私たちの強みになった。最後の2、3分の粘りは、決して負けたくないゲームでしたし、応援してくれる人のためにも勝ちたかったです。
ーー ベスト8の意味は?このチームの限界はどこにあるのか。
(リーチ・マイケル主将)
これ(ベスト8)は日本のラグビー、アジアのラグビーにとって、素晴らしいことです。一つのゴールを達成することができました。来週からは、また新しいスタートを切ります。勝利の鍵は、きちんと準備ができること。週の頭から準備をすることができること。来週、またいい試合、そして勝つ試合をします。
ーー日本ラグビーの新しい歴史を作れた理由は?
(リーチ主将)
一番の理由は信じること。「Belief(信頼)」が一番だったと思います。2011年から振り返ると、対戦相手のレベルがだんだん上がってきて、スーパーラグビーの影響がすごく大きくて。今回ジェイミーの下でやってきて、日本ラグビーが勝てたのは、ジェイミーの指導とコーチ陣のおかげだと思います。
ーー前半のタフネス、後半の体力は素晴らしかった。
(ジョセフ氏)
チームを作り上げるのは、短い期間でできることではありません。一番むずかしかったのは、わたしに与えられた裁量の中で結果を出すこと。でも方向性が見えてきて、コーチやチームを強く信じてきました。選手にどうアプローチするのか、トニー・ブラウンコーチと話し合ってやってきました。選手に責任を与える、自分のパフォーマンスに責任を取らせることも大切だと思います。いろいろな状況で選手たちが自信を持ってプレーできるようになりました。なかなか辛い時期もありました。でも、自分たちのやりたいラグビーができるようになりました。相手に肩を並べて試合ができるようになってきたと思います。
ーー台風に関するメッセージはどう選手に伝えた?
(リーチ主将)
試合前、ジェイミーからホテルで話があって、台風の被災者がたくさんいることを確認しました。日本が大変な時期に我々が必要とされていると感じて、応えたかった。
ーー 南アフリカ戦に向けて
(ジョセフ氏)
できるだけ平常心を保つことが大事。皆さんのサポートがモチベーションにもつながります。私たちが日本を代表しているという気持ちを強くしてくれます。