台風で自宅が損壊したら「被災写真」を撮って 被災者が、片付け前にやるべき大事なこと

被害にあった自宅を片付ける前に、家の被災状況を写真で記録しておいてください。
台風15号で損壊した建物(2019年9月15日撮影)
台風15号で損壊した建物(2019年9月15日撮影)
時事通信社

台風で自宅が被災したら、何から手をつけていいかわからないかもしれません。しかし、暴風で傷んだり、浸水などに見舞われた自宅を片付ける前に、家の被災状況を写真で記録しておいてください。後日、市町村から「り災証明書」を発行してもらうときに必要になるからです。

被災者は各種の支援を受けられる

地震や洪水、台風などの自然災害による被災者には、「被災者生活再建支援法」などに基づいて支援金が支給されます。その際に必要なのが、被害程度を証明する「り災証明書」です。

被害程度には、全壊、大規模半壊、半壊、一部損壊、床上浸水、床下浸水、全焼、半焼などがあります。損害の程度を証明するために、デジカメ、スマホ、携帯電話などで撮影した写真が重要なのです。

被災写真を撮るポイント

ウェザーニュースより
ウェザーニュースより

被害程度を証明するための写真なので、撮影するポイントがあります。浸水などの水害にあった家屋を例にします。

(1)建物の全景を撮る
▼遠景で建物の4面を撮影します

(2)浸水した深さを撮る
▼メジャーを使って水が浸かった深さを測定
▼測定場所がわかるように遠景を撮影
▼メジャーの目盛りがわかるように近景も撮影

(3)被害箇所を撮る
▼被害箇所ごとに遠景と近景の2枚セットで撮る(被害箇所がわかるように指を差して撮るとよい)
▼主な被害箇所は、外壁/屋根・基礎・内壁・天井・床・ドア・ふすま・窓・キッチン・浴室・トイレなど

こうして撮影した写真を「り災証明申請書」に添えて市町村に提出すると、市町村の担当者が現地調査を行います。その結果、「り災証明書」が発行されると支援制度が受けられます。

各種の支援金が支給される

被災者に対する支援制度のひとつ、「被災者生活再建支援制度」は、居住する住宅が全壊するなど、生活基盤に著しい被害を受けた人に。次の2つの支援金の合計額が支給されます。

【基礎支援金】
全壊:100万円、大規模半壊:50万円

【加算支援金】
建設・購入:200万円、補修:100万円、賃借:50万円

「被災者生活再建支援制度」は国の支援制度ですが、都道府県や市町村が独自に支援制度を設け、支援金の支給だけでなく、貸付制度を利用できることがあります。

また、火災保険や地震保険などの保険金を請求するときも「り災証明書」が必要になります。被害を受けた住宅を片付ける前に、被害状況がわかる写真を撮影してください。

参考資料など

「防災情報のページ・罹災証明証」(内閣府)、「建物被害調査のトリセツ」(常葉大学付属社会災害研究センター)

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