あなたはケーキの真実を知らない。モンブランは栗以外もOK、ザッハトルテの発明者は16歳…

美味しいケーキに隠された、知られざるエピソードをご紹介します。
ケーキ
getty
ケーキ

ケーキが美味しい季節になりました。いや、ケーキはいつだって美味しいけれど…。

ところで、「ケーキ」と聞いて真っ先に思いつくのは、何でしょうか? その名称、意味やどこの国の言葉が知っていますか?

大学時代4年間、ケーキ屋さんの売り場でアルバイトをした筆者が独断と偏見で皆様にケーキをオススメしたいと思います。

ショートケーキはスポンジ? 

春になると、ケーキ屋さんのショーケースが華やかになります。イチゴを贅沢に使ったショートケーキは、この季節が一押し。カラフルなフルーツケーキも目に鮮やかです。

「ケーキ」の代表格といえば、ショートケーキ。

英語では「short cake」といいます。「short」にはショートニングが入ってサクサクした食感、という意味があります。

日本では柔らかいスポンジケーキと生クリーム、フルーツのシンプルな組み合わせが主流ですが、イギリスでは上下に割ったスコーンに生クリームとイチゴを挟んだものも。

クッキーやスポンジ、スコーンを粗く切って盛り付け、生クリームをかけ、フルーツをトッピングするだけでも「ショートケーキ」になるのです。季節によってフルーツを変えるのもオススメです。

イチゴのショートケーキ
Getty
イチゴのショートケーキ

シュークリームはキャベツ、エクレアは稲妻

夏はレアチーズやビビッドカラーのゼリー系も美味しいですね。

そういえば、シュークリームのカスタードが夏と冬で違うって知ってましたか? 夏用のクリームは少しさっぱりと作ってあるので、違いを試してみて。ぜひ冷やしてお召し上がりください!

ところで、シュークリームの語源はご存知でしょうか?

シュークリームはフランス語で「シュー・ア・ラ・クレーム」といいます。「シュー」はキャベツを意味するフランス語で、シュークリームの皮の部分がキャベツのような形をしていることに由来しています。

シュー生地を使ったケーキには、他にもエクレアやパリブレストがあります。エクレアの語源はフランス語で「稲妻」。「中からクリームがはみ出さないように電光石火のスピードで食べなくてはならないから」など、由来は諸説あるようです。

シュークリームとエクレア
Getty
シュークリームとエクレア

モンブランは栗じゃなくてもOK

秋は、芋・栗・カボチャを使ったケーキがよく売れます。少し肌寒い日には温めたアップルパイをトーストで温めて紅茶やコーヒーといただくのもオススメです。

秋のケーキはオレンジ色の布やペーパーナプキンを添えるだけで雰囲気が出るので、ぜひ試してみてください。

秋のケーキのイメージ。リンゴやカボチャ、オレンジ色のナプキンを添えるとグッと雰囲気が出ます。
getty
秋のケーキのイメージ。リンゴやカボチャ、オレンジ色のナプキンを添えるとグッと雰囲気が出ます。

ところで、モンブランは「栗」が入っていなくてもモンブランだとご存知でしたか? 

モンブランはフランスとイタリアの国境に位置する山の名前です。フランス語で「モン」は山、「ブラン」は白。山頂付近が雪で白く染まっていることから、この名がつきました。

ケーキのモンブランは、この山に形が似ていることに由来しています。栗を使用していなくても、絞ったクリームをグルグルと山の形に巻いたものは「モンブラン」を名乗れるわけなのです。

ちなみに、モンブランの標高は約4800メートルで、山頂に国境が通っています。イタリア側の名称は「モンテ・ビアンコ」。ケーキの方もイタリアでは、モンテ・ビアンコと呼ばれているそうです。

モンブラン(上がケーキ、下は山)
getty
モンブラン(上がケーキ、下は山)

ザッハトルテを発明したのは16歳の少年だった

クリスマスやお正月、バレンタインなどイベントが多い冬は、ケーキが一番売れる季節。こっくりと生クリームを使ったケーキや濃厚なチョコレートケーキは、熱々のドリンクやワインにもぴったりです。

ハレの日にも普段のデザートにもぴったりなティラミスは、マスカルポーネチーズとエスプレッソを使ったイタリア生まれのお菓子。ティラミスには、「私を幸せにして」という意味があるそうです。

バレンタインに人気のザッハトルテは、甘酸っぱいアプリコットのソースが挟まったチョコレートケーキをさらにチョコレートでコーティングした贅沢なケーキです。

ザッハトルテ(左下)、ティラミス(右下)
getty
ザッハトルテ(左下)、ティラミス(右下)

ホテルザッハーの公式サイトによると、ザッハトルテが最初に作られたのは1832年。ウィーン会議を仕切ったオーストリアの宰相メッテルニヒが、舌の肥えた来客たちをもてなすために、当時16歳だった学生フランツ・ザッハーに珍しいデザートを作るように命じたのが始まりだそうです。

宝石のようなケーキが美しく並んだショーケース、眺めるだけでも幸せになりませんか? 意外と装飾やカラーにも気をつかっているので、ぜひこの機会に注目してみてください。