東京都で早くもインフルエンザの流行入りとなった。
都福祉保健局は9月26日、都内のインフルエンザ定点医療機関(419カ所)からの患者報告数が、流行開始の目安となる定点当たり1.0人を超えたと発表した。
インフルエンザは例年12月から3月にかけて流行するが、「今シーズンは早めの注意が必要」と呼びかけている。
福祉保健局によると、過去5年のシーズンでは流行入りとなってから一気に感染が広まり、5~10週で流行のピークを迎えている。
2019-2020シーズンは、2010年以降最も早く38週(9月16日~22日)で流行入りしたため、ピークまでの時間は予想が難しいものの、「すでに流行となっているので、咳エチケットやこまめな手洗いうがいをしっかりと心がけてほしい」と話している。
同様の早さの流行入りは、2009-2010年のシーズン。このシーズンは32週(8月3日~9日)から流行が始まった。メキシコで初めて確認され、北米で猛威をふるった新型インフルエンザ(AH1pdmウイルス)が初めて流行した年でもあった。
福祉保健局によると、今季の発生動向の調査ではまだウイルス検出が1件しかないものの、検出されたのは2009年に流行した新型インフルエンザ(AH1pdm09)だった。この調査以外でも、多くの医療機関で同じウイルスが確認されていると報告を受けているという。
患者は10代までの若年層が8割弱と多くを占めており、都内は小学校で28校、中学校で4校、幼稚園で2校がすでに学級閉鎖、臨時休業した。
インフルエンザで気をつけたいこと
毎年のことで聞き飽きている人も多いかもしれないが、改めてインフルエンザの注意事項を確認したい。
インフルエンザに罹った場合、特に子ども、高齢者、妊娠中の人、呼吸器に疾患を持つCOPDや喘息の人は、重篤化しやすく要注意だ。
このような人以外でも、次のような症状が出たらすぐに医師の指示を仰ごう。
インフルエンザは、感染した人がせきをすることで飛んだ、つばや鼻水などに含まれるウイルスを、別の人が吸い込んでしまい、ウイルスが体内に入り込むことでうつってしまう。
また、感染した人がせきをしたり鼻水を手でぬぐった後に、手を洗わずにドアノブや吊革などに触れると、その触れた場所にウイルスを含んだ飛沫が付着することがあります。
感染していない人がそうした場所に触れてしまい、ウイルスが手についたまま目や口などの粘膜を触ることで感染することもある。
感染経路から考えると、普段からできる対策は次のようなものだ。
・こまめな手洗い(アルコールを含んだ消毒液で手を消毒するのも効果的)
・栄養と睡眠を十分にとり、体調を整えておく
・ウイルスが増えやすい乾燥状態を避け、室内の湿度を適度に上げ、喚起
予防接種も効果的だ。ただし、ワクチンの持続期間は一般的には5カ月ほど。毎年流行するウイルス型も変わるので、流行がピークに差し掛かる前に毎年、定期的に接種することが望ましい。
予防接種はインフルエンザを発症する可能性を減らし、もし発症しても重い症状になるのを防いでくれる効果がある。
うつさないために必要な「咳エチケット」
手洗いと並んで、インフルエンザの流行を広げないために最も重要ともいえるのは「咳エチケット」だ。
厚生労働省は「電車や職場、学校などの人が集まる場所では、予防・感染拡大防止対策に咳エチケットが重要」として、咳が出てしまった時の抑え方を紹介している。
感染しているかもしれないと思ったら、マスクを正しく着ける。
マスクをしていない場合は、ティッシュやハンカチで口を覆うか、上着の袖で口を覆う。
手でそのまま抑えたり、何もせずに咳やくしゃみをするのは感染を広げる悪い例だ。
また、厚労省は2018年、人気アニメ「進撃の巨人」とコラボレーションした咳エチケットの啓発ポスターも発表。
キャラクターとともに今一度、咳エチケットについて確認して欲しい。