北朝鮮、台風13号で5人死亡 災害で異例の手厚い報道

北朝鮮はこれまで、自然災害について情報開示に消極的だったが、今回は異例の手厚い報道を続けている。
台風13号が上陸する前の6日、朝鮮労働党中央軍事委員会の非常拡大会議を招集して万全の対応を指示する金正恩党委員長(労働新聞ホームページから)
台風13号が上陸する前の6日、朝鮮労働党中央軍事委員会の非常拡大会議を招集して万全の対応を指示する金正恩党委員長(労働新聞ホームページから)
朝日新聞社

台風13号、北朝鮮で5人死亡 災害で異例の手厚い報道

 北朝鮮の朝鮮中央通信は8日、7日午後から8日未明にかけて同国を通過した台風13号で、5人が死亡し、460戸余りの住宅と15棟の公共の建物が全半壊し、約4万6200ヘクタールの農地が浸水などの被害を受けたと伝えた。9日付の「労働新聞」も党や政府の幹部が被災地の復旧を指揮する様子を伝えた。北朝鮮はこれまで、自然災害について情報開示に消極的だったが、今回は異例の手厚い報道を続けている。

 朝鮮中央テレビも、強風で屋根が吹き飛ばされる映像などを交えて各地の被害状況を随時放送した。金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は台風13号が北朝鮮に上陸する前の6日、党中央軍事委員会の非常拡大会議を招集し、党や政府幹部らの対応を「無為無策で旧態依然だ」と批判し、万全の対策を指示していた。北朝鮮は9日で建国71周年を迎え、結束を呼びかけるねらいがあるとの見方がある。

 一方、台風13号は韓国でも大きな被害を生み、中央災害安全対策本部によると、強風で崩れた壁の下敷きになるなどして3人が死亡し、負傷者が続出。全国で約16万世帯が停電した。(ソウル=武田肇)

(朝日新聞デジタル 2019年09月09日 11時44分)

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