「女性が活躍」の塗装会社で長時間労働・セクハラ 2人が労災認定

塗装会社「ユーコーコミュニティー」(神奈川県厚木市)の女性社員2人が長時間労働やセクハラなどが原因でうつ病を発症したとして労災認定された。

塗装会社「ユーコーコミュニティー」(神奈川県厚木市)の20代の女性社員2人が長時間労働やセクハラなどが原因でうつ病を発症したとして労災認定された。女性2人や代理人弁護士が8月21日に発表した。

代理人の笠置裕亮弁護士によると、2人は美術系大学を卒業して2017年4月に入社。共に11月ごろにうつ病を発症し2018年6月に労災を申請した。

2人は1日200件の営業訪問や月300万円の売上達成などの無理なノルマを課され、長時間労働を強いられたという。

さらに、上司から社用車の中で性体験を聞かされるといった行為や、社内外での恋愛を推奨する「部活」への勧誘メールなどが送られるなどのセクハラ行為があったことなども認定された。 

代理人提供

Aさんは平塚労基署(2019年1月)、Bさんは厚木労基署(2019年7月)がこうした長時間労働やセクハラなどとの因果関係を認め、それぞれ労災の認定をした。

同社は「新卒の職人の8割が女性」と公表。美大卒の女性社員を積極的に雇用することで「女性が活躍できる会社」として積極的に広報していた。

女性が発表したコメントは以下の通り。


「『女性が活躍できる、している会社』だと前面に打ち出して求人をしたり、社長自ら様々なメディアにアピール等しているが、いざ入社してみると長時間労働は当たり前で、セクハラはパワハラは見て見ぬふりという、女性にとっても男性にとっても非常に劣悪な労働環境だった。
今でも会長自ら私に語った『セクハラは神様があなたに与えた試練、神様からのギフト』という言葉を思い出す度にやりきれない怒りが沸く。上層部がこのような女性蔑視の価値観を抱いている限り、真に女性が活躍できる会社にはならないのではないか。
会社側は今回私達が労災認定をされた事実について、個人の問題ではなく会社全体の問題であると重く受け止め、再発防止に努めてほしい。」(Aさん)

 
「塗装業界を変えるために、会社は美大出身の女性の力を必要としている。と言われ入社を決めたにも関わらず、いざ入社してみると『やる気のない人間はただの肉の塊だ。』など数々の暴言とも言える指導を受けた。業界を変えたいのなら、今後このような問題が起こらないよう必要な措置を取っていただきたい。」(Bさん)

同社は労災認定の公表を受けてコメントを発表し「労働環境の改善にに取り組んでいく」としている。

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