パーソルキャリアは8月1日、アルバイト求人情報サービス「an」を、2019年11月25日をもって終了すると発表した。
日本でもっとも歴史のあるアルバイト求人情報サービスとして市場を開拓してきた「an」。パーソルキャリア広報部は「紙媒体からwebサービスに転換するにあたり、サービスの中身や使いやすさの充実が同業他社に後れを取った」と説明した。
従来のビジネスモデルでは、顧客からの期待に十分に応えていくのは難しいと判断したといい、今後は転職サービス「doda」を中心に経営資源を注力していくという。
日本で初めてのアルバイト情報誌の流れをくむサービスだった
「an」は1967年、学生援護会が日本で初めてのアルバイト情報誌「アルバイトニュース速報」と題して創刊した。
翌68年、発行形態の日刊化を実施。誌名を「日刊アルバイトニュース」に変更。発行する学生援護会は、上京する学生に生活支援をするために設立された団体だった。
1986年、「日刊アルバイトニュース」を「an」に改称した。
2000年代初めには、フリーペーパーの台頭で有償雑誌の売れ行きが下降気味となり、経営環境が悪化。2006年にインテリジェンス(現:パーソルキャリア)に吸収合併された。
インターネットが普及し始め、ウェブへの進出を図ったのは2000年だった。しかし、紙媒体を中心に事業を展開しウェブサービスの充実に重きを置かず、事業をインターネットへシフトしていった同業他社に後れを取った。
2015年にはLINEと提携し「LINEバイト」にも求人情報を提供している。
紙媒体は、2017年8月8日の北海道・東海・福岡版で終了。その後はwebのみで展開しているものの、競合優位性の低下のため、収益の悪化が続いていた。