スマホ決済サービス「セブンペイ」が9月末で廃止されることが決まった。
7月1日にサービスが始まった直後に、不正な取引の報告が寄せられ、数日後にはチャージや会員登録の停止。わずか3カ月で、サービスから完全撤退となった。
「後発で焦ったのでは?」「緊張感がかけ、たがが緩んでいる感じがするが、いかがでしょうか?」
セブン&アイ・ホールディングスが8月1日に開いた記者会見で、責任を問う厳しい質問が飛んだ。
セブンペイは、サービス開始翌日から「身に覚えのない取引があった」と利用者から報告があり、3日にはクレジット・デビットカードからのチャージ利用を停止。4日は店舗レジやATMからの現金チャージや新規会員登録を停止した。
セブン側は不正アクセスの被害について、7月31日までにセブンペイを利用した808人の計3800万円と明かした。
不正アクセスを防げなかった原因について、7payに関わる①システム上の認証レベル②開発体制③システムリスク管理体制に問題があったことをあげ、「複数端末からのログインに対する対策や、二段階認証の検討が十分ではなく、ハッキングに対する防御力を弱めた」という認識を示した。
セブンペイは、ペイペイやアップルペイなど他のスマホ決済サービスに遅れる形で参入したのに、サービス開始直後に不正アクセス被害にあった。
記者会見では、「後発だったが、焦りがあったのか?」と追及されたが、「焦りには当たらないと考えています」と否定。
「2018年6月にアプリを開始して、お客様の利用状況と開発体力を見ながら進めてきた」と、スケジュール上の問題はなかったと述べた。
セブンは、24時間営業をめぐって加盟店と対立するなど、近年問題が噴出している。
会見では、同社を一代で国内業界トップの座まで育てた鈴木敏文前会長の退任の影響について触れながら、「考えられない失策だと思う。緊張感がかけ、たがが緩んでいる感じがするが、いかがでしょうか」という追及があった。
「24時間営業や今回を含めて、大変な問題と認識しています」と述べた一方で、「原因と背景において、鈴木会長の存在がなくなったからとは考えておりません」と否定した。
また、チャージやポイントがないのに買い物ができたという利用者について問われると、セブン側は個別にやりとりしていることを明かした。
「実際は、チャージ...セブンペイに絡んでということではない話と、お互いに理解している。個別の話なので、詳細は控えさせていただきます」と濁した。